低温調理器ボニークの使い方を徹底解説!おすすめの作動時間・温度は?
優れた機能とスタイリッシュ&スリムなデザインで人気を集めている日本製低温調理器の『BONIQ(ボニーク)』。
肉や魚などさまざまな食材を低温調理することで、旨味と栄養をぎゅっと閉じ込めたプロ級の料理を作り上げることができるので、毎日の食事やパーティー、おもてなしなどに利用する人が増えているのです。
結論から言うと、『BONIQ(ボニーク)』などの家庭用低温調理器は使い方がとてもシンプルで簡単!低温調理器で時間と温度を設定するだけで調理できるので、火加減のむずかしい繊細な料理も誰でも気軽に作ることができます。
しかし、低温調理器を使っているうちに「もっとおいしく出来るのでは?」「何となくうまくいかない」と疑問や悩みが出てくることも…。BONIQ(ボニーク)愛用歴2年の私も、使い込む程に「本当にこれで完璧なのかな?」と感じることは少なくありません。
そんな悩める『BONIQ(ボニーク)』愛用者に向けて、低温調理器を知り尽くしているメーカー自らが低温調理の疑問について検証し、その魅力とおいしさを追求しています。
この記事では『BONIQ(ボニーク)』のレシピサイトを参考に、基本的な使い方から料理をよりおいしく仕上げるポイントやコツ、注意点をまとめて詳しく解説していきたいと思います。
もくじ
低温調理器ボニークの使用方法と調理のコツ
低温調理器ボニークの特徴と基本の使い方
BONIQ(ボニーク)の概要
ボニークは国内初の低温調理器ブランドとして注目を集めている調理家電で、販売開始からわずか2年半で出荷台数3万台を突破しました。
海外製品の使い勝手の悪さを解消し、日本人にとってわかりやすい操作と場所を取らないスリム設計を実現。
食材と調味料をフリーザーバッグなどに入れて、ボニークで調理時間と温度を設定するだけでローストビーフや鶏ハムといった火加減のむずかしい繊細な料理も簡単に作ることができるのです。肉料理だけでなく、魚料理や野菜料理、ご飯、スイーツ、ドリンクなどさまざまな料理づくりに対応しているので毎日の食事からパーティー料理まで気軽に楽しく作ることができます。
対応容量:5~15L
作動時間:1分から99時間59分
調理温度:5~100℃
BONIQ(ボニーク)の基本的な使い方
STEP1、下準備
調理したい材料をフリーザーバッグなどジップ袋に入れて中の空気を抜いて密封します。鍋にバッグ全体が沈められる程度の水またはお湯を入れておきます。(水から加熱すると設定温度に達するまで時間がかかってしまうので、40℃程度のお湯から始めるといいでしょう。)
STEP2、鍋にボニークを固定
水またはお湯の入った鍋の側面にボニーク本体についているホルダーで固定します。ホルダーのつまみをしっかり締まるまで回してください。水量が上限~下限の間にあることを確認して電源コードを電源プラグに差し込みます。その後食材を鍋の中にゆっくりと入れて完全に沈めます。
STEP3、温度セット
温度設定ボタンを押しからスクロールダイヤルを回して調理に適した温度に合わせます。そのまま5回点滅した後に温度設定ボタン・スクロールダイヤルが青く点灯したら温度設定完了です。
※時間設定をせずに調理する場合は、ここでスタートボタンを押して調理を開始します。
STEP4、時間セット
時間設定ボタンを押してからスクロールダイヤルを回して時間単位を合わせます。時間設定ボタンをもう一度押すと分のところが点滅するのでスクロールダイヤルを回して分単位を合わせます。そのまま5回点滅した後に時間設定ボタン・スクロールボタンが青く点灯したら時間設定完了です。
STEP5、調理完了
時間と温度の設定が完了したらスタートボタンを押して低温調理を開始します。調理中はパネルに残り時間と温度が交互に表示され、調理時間が終了するとアラームがなるのでスタート/ストップボタンを押します。(終了アラームは5分間鳴り続け、鳴り終わってもストップボタンを押すまでは調理が続きます。)
お湯や鍋が十分に冷めたらボニークを外して電源プラグを抜き、本体の水分を拭き取って片付けてください。
<食材別>ボニークでの加熱基準時間と温度
ボニークでは食材を最高の状態で食べることができるよう加熱温度と作動時間の基準が定められています。時間と温度によって食材の衛生状態が変わるので、肉調理の際の参考にしましょう。
ただし、お年寄りや小さなお子さま、免疫力の低下している人の場合は推奨温度設定に関わらず、厚生労働省サイトによる食中毒に関する指示に従って全ての肉で「中心温度75℃・1分以上」の加熱をするようにしてください。
なお、こちらでは低温調理を行う際の食中毒のリスクについてご紹介していますので、参考にしてみてください。
⇒低温調理器の危険性・安全性|注意点やリスクを分かりやすく解説します
牛肉の加熱時間と温度基準表
56℃…2cm:3時間20分/3cm:4時間/4cm:5時間
57℃…2cm:2時間35分/3cm:3時間15分/4cm:4時間15分
58℃…2cm:2時間/3cm:2時間40分/4cm:3時間40分
59℃…2cm:1時間35分/3cm:2時間15分/4cm:3時間15分
60℃…2cm:1時間20分/3cm:2時間/4cm:3時間
61℃…2cm:1時間15分/3cm:1時間55分/4cm:2時間55分
62℃…2cm:1時間05分/3cm:1時間45分/4cm:2時間45分
63℃…2cm:1時間05分/3cm:1時間45分/4cm:2時間45分
64℃…2cm:1時間/3cm:1時間40分/4cm:2時間40分
65℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
66℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
67℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
68℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
69℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
70℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
豚肉の加熱時間と温度基準表
57℃…1cm:8時間15分/2cm:8時間50分/3cm:9時間30分
58℃…1cm:5時間20分/2cm:5時間50分/3cm:6時間30分
59℃…1cm:3時間30分/2cm:4時間/3cm:4時間40分
60℃…1cm:2時間20分/2cm:2時間50分/3cm:3時間30分
61℃…1cm:1時間35分/2cm:2時間10分/3cm:2時間50分
62℃…1cm:1時間10分/2cm:1時間40分/3cm:2時間20分
63℃…1cm:50分/2cm:1時間20分/3cm:2時間
64℃…1cm:45分/2cm:1時間15分/3cm:1時間55分
65℃…1cm:40分/2cm:1時間10分/3cm:1時間50分
66℃…1cm:35分/2cm:1時間5分/3cm:1時間45分
67℃…1cm:30分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
68℃…1cm:30分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
69℃…1cm:25分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
70℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分
鶏肉の加熱時間と温度基準表
57℃…1cm:2時間10分/2cm:2時間40分/3cm:3時間20分
58℃…1cm:1時間35分/2cm:2時間5分/3cm:2時間45分
59℃…1cm:1時間10分/2cm:1時間40分/3cm:2時間20分
60℃…1cm:50分/2cm:1時間25分/3cm:2時間5分
61℃…1cm:40分/2cm:1時間10分/3cm:1時間50分
62℃…1cm:35分/2cm:1時間05分/3cm:1時間45分
63℃…1cm:30分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
64℃…1cm:25分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
65℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分
66℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分
67℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分
68℃…1cm:20分/2cm:55分/3cm:1時間35分
69℃…1cm:20分/2cm:55分/3cm:1時間35分
70℃…1cm:20分/2cm:55分/3cm:1時間35分
<徹底比較①>定番メニューの調理時間と温度設定
ここでは低温調理器で使用することの多い食材や定番メニューの調理時間と温度の設定を比較しています。それぞれの設定ごとに、どのような仕上がりになるのかということをチェックしていきましょう。
豚バラ肉の低温調理時間と温度比較
低温調理器で自家製ベーコンや角煮を作ることができる豚バラ肉。下茹でや味付けなどをせず、1ブロック(約200g)の豚バラ肉をフリーザーバッグに入れて密封し、竹串がスッと通る程度にまで以下の時間と温度設定で低温調理を行いました。
①80℃/7時間
とてもおいしい仕上がりになりますが、身の一部が繊維状になっています。パサついていると感じるほどではないが、②77℃/8時間30分に比べるとやや固さがあります。
②77℃/8時間30分
脂が程よく溶け落ちていて、脂と身のバランスが秀逸な仕上がりになります。そのままタレで食べるのに最適!
③70℃/15時間
「こんな豚ばら見たことがない!」というほど身も脂も透き通っていて美しい仕上がりになります。脂がぷるぷるとしていて甘くおいしいものの、脂が溶け落ちていないのでそのまま食べると脂身が多すぎると感じるでしょう。表面を香ばしくカリッと焼いて脂を落として仕上げると最高においしく食べることができます。
④64℃/24時間
③70℃/15時間と同様に身も脂も透き通ってぷりぷりの仕上がりになります。味と食感は③70℃/15時間とほとんど変わらないが、見た目は鮮やかなピンク色に。脂が多いので表面を焼いて香ばしく仕上げる料理に向いています。
・ボニークの使い方&豚バラ肉の調理動画
鶏もも肉の低温調理時間と温度比較
さまざまな料理に使える鶏もも肉の筋と余分な脂を切り落とし、1枚を半分にカットした状態でフリーザーバッグに入れて低温調理します。(一番厚みのある部分で2cm、各1/2枚(約140g)使用)
時間と温度設定の違いによる火の入りを比較するため、鶏もも肉の上部と下部がどちらも入るよう縦にカットして、重さも全て同じになるように揃えます。また、ボニークでの低温調理が終了したらフリーザーバッグごと湯せんから引き上げてバッグに塩(各1.2g(肉の重量の0.9%))を投入して肉に塩を含ませ、バッグごと冷却した後鶏もも肉の仕上がりと肉から流出するドリップの量を比較をします。
①60℃/1時間30分
ドリップは6g、肉汁そのもののような赤みが見られます。とても柔らかくジューシーですが、“ぐにゃっと感”があります。断面はピンクがかっていて低温調理だと知らない場合、生のように感じるでしょう。
②63℃/1時間
ドリップは10g、①60℃/1時間30分と同様色は赤っぽくなっています。見た目や食感もほとんど差がなく、こちらも“ぐにゃっと感”や断面のピンク色が見られます。カットして10分程経つとどんどんピンク色に変化する様子が見られました。
③65℃/55分
ドリップは13g、色はピンク。①~⑧の中で最もバランスよく、おいしく仕上がります。ぐにゃっとした感覚はないが最大限に柔らかくジューシー。歯切れもよく、見た目にも金一な美しい白で生っぽさなどは感じさせず鶏もも肉のおいしさが存分に引き出されます。
④70℃/51分
ドリップは16g、色はピンク。③65℃/55分よりも身が引き締まり、歯切れよく柔らかな仕上がりになりました。やや繊維質を感じ始めますが、ジューシーさは十分にあるのであまり気にならないでしょう。
⑤75℃/51分
ドリップは21g、色はピンク。ややジューシーさは失われているが、パサついているというほどではなく十分に柔らかな仕上がり。歯切れもよくおいしく出来上がっています。
⑥80℃/51分
ドリップは26g、色はピンク。身が引き締まってジューシーさはやや低下しますが、パサつきを感じることはなく十分柔らかく仕上がっています。
⑦85℃/51分
ドリップは28g、色は黄色っぽく変化しています。⑥80℃/51分とほぼ同様ですが、温度が上がっている分さらにジューシーさが失われています。ただし、料理としては間違いなくおいしい仕上がりです。
⑧90℃/51分
ドリップは35g、色は⑦85℃/51分同様黄色いですがより透明度が高くなっています。最も高温での調理ですが、十分においしく仕上がっています。ただしドリップが多く出るので、肉汁も生かすような煮物などにより適してます。
サーモンの低温調理時間と温度比較
生食可能なアトランティックサーモンの全面に振り塩(各0.9g(サーモンの重量の0.9%))をして10分置いた後、各100g(厚さ3cm)をフリーザーバッグに入れてそれぞれの温度で30分低温調理を行いました。
①38℃/30分
完全に生ではないが、包丁でカットしても崩れにくい生寄りの仕上がり。新食感の刺身のような出来上がりです。
②40℃/30分
生の要素がやや残りますが、包丁でカットすると繊維がほろほろと崩れそうになります。①38℃/30分とはわずか2℃の違いですが、仕上がりは全く異なります。
③45℃/30分
わずかに生の要素が残っていますが、身はほろりと崩れやすい状態になります。パサつきはなく身が柔らかでとろけるような食感に。
④50℃/30分
①38℃/30分と似た仕上がりに。何とか生の要素が残る程度でフランス料理のミ・キュイのようになめらかな口当たりになります。
⑤55℃/30分
火が全体に入った感じがあり、歯ごたえが増しますがしっとり柔らかい食感です。ここまでが低温調理でしか出せない食感、仕上がりだと感じます。
⑥60℃/30分
身にしっかりと火が通っていますが、十分柔らかくパサつきはほとんどありません。
⑦65℃/30分
⑥60℃/30分と同様で、火は入っていますが十分柔らかな仕上がりです。
⑧70℃/30分
焼き魚としては柔らかい仕上がりですが、ややパサつきも感じられます。これ以上高温になると低温調理の意味が感じられなくなるでしょう。
ブロッコリーの低温調理時間と温度比較
ブロッコリーは温度設定に伴う見た目(色)と食感の変化を比較していきます。それぞれ時間は設定せず温度のみを設定して、ブロッコリーに火が通ったところで引き上げます。低温調理前にブロッコリーを一口大の小房に切り分けて洗い、水気を切ります。それぞれ0.6%の塩と一緒にフリーザーバッグに入れて調理をスタートします。
①85℃/15分
やや褐色に変色している部分が見られます。味に問題はありませんが、そのままの状態に料理として盛るにはあまり見た目がよくないでしょう。
②87℃/14分
①85℃/15分と同様に褐色に変色。味は①~④までほとんど差はありませんが、変色していても気にならない煮込みやピクルスなどに使用するといいでしょう。
③89℃/13分
さっと塩ゆでした時ほどの鮮やかさはありませんが、ギリギリ緑色を保っています。旨味も凝縮されておりマヨネーズ和えや白和えなどに最適。
④91℃/11分
③と見た目も味もあまり大きな差はありませんが、きれいな緑色になるので、サラダのようにブロッコリーの色と食感がそのままわかる料理には最も適しています。
⑤93℃/9分
明るい緑色に仕上がり、旨味も十分にあります。
⑥95℃/8分
最も明るい緑に仕上がります。旨味も十分にありますが①~④と比較するとやや味に違いがあると感じることも。
とうもろこしの低温調理時間と温度比較
ボニークではとうもろこしの調理も行うこともできます。ここでは、フリーザーバッグに入れてしっかりと空気を抜き、以下の4通りの温度設定で30分間低温調理を行い仕上がりを比較します。
①92℃/30分
従来の茹でとうもろこしに最も近い食感と味わい。身離れがよくジューシーで柔らかいので食べやすい仕上がりです。
②84℃/30分
シャキッと感が残りながらもぷりっとしてジューシー。とても甘みがあっておいしく出来上がっています。
③80℃/30分
②84℃/30分と非常に近く、シャッキリ感とジューシーさがあります。②以上に甘さを感じられバターのような風味も感じられます。
④70℃/30分
フレッシュでシャキシャキとした食感が強く、やや青みが残っています。おいしく食べることはできますが、他の温度設定の仕上がりに比べると風味・食感ともに劣ります。
カスタードクリームの低温調理時間と温度比較
ボニークでの低温調理では、スイーツ・デザートを作ることもできます。ここではスイーツ作りに欠かせないカスタードクリームの仕上がりの違いをチェックしていきます。
カスタードクリームは従来、鍋を火にかけた瞬間から卵が固まってしまわないようにらないようにしっかりと混ぜ続けなければなりません。ダマがなくツヤとコシがあってなめらかなカスタードクリームにするためにはここでの作業がとても重要です。とてもシンプルなものですが、実はとてもむずかしいメニューだとされています。
このようなカスタードクリームを温度管理を得意とするボニークで低温調理するとどのようになるか、時間と温度設定ごとにその違いを比較します。調理が終了したら湯せんからフリーザーバッグを取り出して目の細かいザルで裏ごししてボウルを氷水に当てて急冷します。冷えたらゴムベラか泡だて器でなめらかになるまで混ぜ合わせます。
レシピは以下の通り。
- 卵黄…2個
- グラニュー糖…50g
- 薄力粉…20g
- 牛乳…200ml
- バニラペースト…小さじ1/4
①86℃/15分
口に残るダマがかなり多く、カスタードクリームとして成立していない状態。原因として加熱不足が考えられます。
②86℃/30分
①86℃/15分と同様ダマが多くカスタードクリームとして不成立。半日程度冷やした後もダマが目立ちました。
③90℃/15分
①②に比べるとましだがダマがあり、カスタードクリームとしては不成立。
④90℃/30分
微かにダマも見えるが食べるとなめらかで気にならない程度。半日冷やした後食べてみるとやや重い仕上がりになっています。全て同じ分量での調理ですが、甘さがとても目立っています。
⑤94.5℃/15分
この比較の中で圧倒的においしい仕上がりになる設定。ダマはほぼなく、ツヤ・コシがあるなめらかなカスタードクリームになります。とろっと口当たりもなめらかクリーミー、甘すぎず上品な味わい。
⑥94.5℃/30分
④90℃/30分にとても似た仕上がり。微かにダマが見えるが食べるととてもなめらかに仕上がっています。④よりもやや重い仕上がりになりました。
<徹底比較②>定番メニューの調理方法・コツ
ローストビーフの塩投入タイミング
肉や魚の調理を行う際、ほとんどのメニューにおいて下準備として塩を振ります。この塩には下味をつけるだけでなく、加熱時の型崩れや旨味が溶け出してしまうことを防ぐ役割があります。
ここではボニークでの低温調理でローストビーフを作る場合、塩をどのタイミングで投入すればよりおいしく仕上がるか比較していきたいと思います。
牛もものブロック肉(1枚約250g/厚さ4cm)を57℃/3時間40分設定で低温調理し、塩の投入タイミングが以下の3通りで行います。
①牛もも肉に塩を振ってすぐに低温調理
②牛もも肉に塩を振って、冷蔵庫で1日寝かせてから低温調理
③ボニークでの低温調理後、フリーザーバッグに塩を入れて1時間ほど含ませる
①~③の工程の後、少量の油をひいたフライパンで表面を焼いて香ばしさをプラス。肉汁の流出を防ぐため10分寝かせてからスライスしてそれぞれの違いを比較します。
仕上がりの違いとして、牛もも肉が圧倒的に柔らかく仕上がりになっているのが③。ローストビーフを存分に楽しむことができる厚みのある牛もも肉ですが、1時間置くことでしっかりと塩味が染み込んで均一な口の中で広がります。
①と②はどちらも同じくらいの噛みごたえ、食感。好みがわかれるところではありますが、③に比べると柔らかさはやや劣ります。見た目は②よりも①の方が鮮やかなピンク色で断面の肉汁がつやつやしてジューシーさがわかります。
・ボニークの使い方&ローストビーフの調理動画
鶏むね肉の低温調理に油は必要か?
ボニークなどを利用して湯せんで低温調理を行う場合、食材をフリーザーバッグに入れますが多くのレシピで一緒に少量の油を入れます。
フリーザーバッグに油を入れるのは、食材とバッグを密着させて密封性を高めるため。低温調理では真空状態にすることで食材の水分が保たれて熱が均一に伝わりますが、油を入れることでこの働きをより高めると考えられているのです。また、オリーブオイルやごま油を使うことで食材への風味付けにもなります。
ここでは低温調理をする際、油を入れることによる効果を検証し比較していきます。調理に使用するのはパサつきやすいとされる鶏むね肉。サラダ油とごま油を使用して、ボニークを60℃/1時間30分で低温調理し、肉汁を落ち着かせるために10分ほど休ませた後スライスしてその違いを比較します。
① 鶏むね
② 鶏むね+サラダ油
③ 鶏むね+ごま油
この検証の結果として、実はどれも大きく変わらないということがわかりました。フリーザーバッグの空気を抜いてしっかりと密封していれば、油の投入の有無にかかわらずしっとりとした食感に仕上がります。
ただし、調味料などを入れずに鶏むね肉のみを低温調理する場合風味づけにハーブやスパイスを入れることもあります。油に溶ける油溶性のハーブやスライスを入れる場合は、油を入れた方が風味が全体に回りやすいということも考えられるので、レシピに合わせて油を投入するといいでしょう。
低温調理でほうれん草のアク抜きはできるか?
ボニークなどの低温調理では肉や魚の料理を作ることがメインと考えられていますが、付け合わせや副菜づくりのために野菜を調理することもできます。湯せんの中で肉料理と野菜料理を同時調理できるというのもボニークなどの低温調理器のメリットだとされています。
ここでは、ほうれん草を調理する際、低温調理によってアク抜きをすることができるのかということを検証します。
そもそもアクというのは主成分がシュウ酸と呼ばれる物質で“エグみ”の素になると言われています。味の違いはもちろん、アクの抜けていないほうれん草は食感もギシギシとしてしまいます。
また、シュウ酸を摂取しすぎるとカルシウムの吸収を妨げたり、体質によっては結石などの病気を引き起こしてしまう原因となる可能性があるとも言われています。
通常は熱湯でさっと茹でることでアクを抜いてきれいな緑色にすることができますが、低温調理ではおいしく美しく仕上げることができるのでしょうか?ここの検証では一般的な交配種のほうれん草と、サラダほうれん草を使って比較していきます。
①鍋で塩茹で→冷水にさらす(従来の調理法)
②交配種ほうれん草+塩をボニーク95℃/2分設定→冷水にさらす
③サラダほうれん草+塩をボニーク95℃/2分→フリーザーバッグのまま冷却
結果として、「②交配種ほうれん草ボニーク95℃/2分」で調理したほうれん草はしっかりとアクが抜けておいしく仕上がっています。また、真空調理によって塩が浸透していることほうれん草の甘みと旨味を引き出しています。
「①鍋で塩茹で」のほうれん草はもちろんおいしく、きれいな緑色に仕上がっていますが②に比べるとやや水っぽく、塩の浸透率が低いように感じます。
「③サラダほうれん草ボニーク95℃/2分」は元々アク抜きの必要がないので水にさらさないで使えるというメリットがあります。しかし、普通のほうれん草に比べて味が薄く歯ごたえがなくなってしまうので、用途通りサラダなどで生食するのが最もおいしいようです。低温調理器を使用する、しないにかかわらず加熱調理をするメニューにはあまり適していないようです。
ボニークでの低温調理後、冷水にさらすことで十分にアク抜きができ、塩と一緒に調理することで変色も防ぐことができるので肉や魚料理などと一緒に使うメニューでは「②交配種ほうれん草ボニーク95℃/2分」が最もおすすめの調理法となります。
低温調理器ボニークの使い方まとめ
『BONIQ(ボニーク)』は時間と温度設定が細かく出来る低温調理器で、肉や魚、野菜などさまざまな調理を行うことができ、スイーツやドリンク作りなどにも利用できるとても便利な調理家電です。
『BONIQ(ボニーク)』では火加減が繊細で家庭で作るのがむずかしいと考えられるローストビーフなどのメニューも簡単に作ることができるので、楽しい料理づくりをサポートしてくれると多くの人から選ばれているのです。
ここでは低温調理に使用する豚バラ肉や鶏もも肉などの定番食材や、ローストビーフなどの定番メニューをよりおいしく仕上げるための使い方、時間と温度の設定などを比較検証した『BONIQ(ボニーク)』公式サイトの情報を紹介してきました。
その他にも、愛用者のSNSやブログでも『BONIQ(ボニーク)』を使ったアイデアレシピや使い方のコツなどが数多く紹介されています。ここで紹介した情報などと合わせて参考にして、『BONIQ(ボニーク)』の魅力を最大限に引き出して、よりおいしい低温調理メニューを楽しんでくださいね♪
なお、こちらではBONIQ(ボニーク)の特徴を詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
⇒低温調理器BONIQ(ボニーク)を徹底解説!時間と温度・使い方など