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低温調理器の危険性・安全性|注意点やリスクを分かりやすく解説します

 
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世界でも高い人気を誇る『ANOVA(アノーバ)』や国内No.1ブランドの『BONIQ(ボニーク)』で知られる低温調理器。

簡単においしい料理を作ることができると注目を集めていますが、慣れない調理法に不安を感じる人も多いと思います。

低温調理で本当にきちんと加熱できているのか?危険性はないのか?と心配になることもあると思います。

結論から言うと、確かに低温調理には食中毒のリスクがあります。ただし、低温調理に限らずどのような調理法でも食材の扱いや加熱時間などを誤れば同じようなリスク・危険性があるのです。

ここでは、低温調理器の仕組みや考えられる危険性とともに、安全に使うためにはどのようなことに気をつければいいかということを詳しく解説していきたいと思います。

低温調理器メーカーによる情報をはじめ、実際に低温調理器を利用している人のブログや口コミ、評判なども参考に低温調理器を使用するときの注意点を多角的に紹介していくのでぜひチェックしておいてください。
自宅でプロ級の料理を作ることができる低温調理器を安全に使い、従来の調理法ではできなかった低温調理ならではの味わいや食感を楽しみましょう。

低温調理器の危険性と安全に使う方法

低温調理器の危険性やリスクについて

低温調理器の危険性・安全性

低温調理器はじっくり時間をかけて加熱することで食材の水分や栄養を逃がさず、おいしく仕上げることのできる調理機器です。低温調理そのものはフランス料理を中心にプロの技術として行われてきましたが、近年では家庭用低温調理器が数多く販売されるようになり一般にも普及するようになりました。

健康ブームや肉ブームと重なって人気を集める低温調理器ですが、低温で加熱するため菌の繁殖による食中毒などを引き起こす可能性があるのです。低温調理器は簡単に使うことができますが、食材の扱いや低温調理器の設定を間違えるとそのような危険性があるということをしっかりと覚えておきましょう。

低温調理器はローストビーフやチャーシューなどブロック肉を使ったメニューを作るのに最適だと言われていますが、肉表面が30~40℃程度の菌が活発に繁殖する温度帯にある時間が長かったり、調理完了後も中心部の温度が低いままだと危険性が高いと考えられます。

食中毒予防の観点では最低基準温度が75℃程度だとされています。75℃以上で一定時間加熱を行うことで肉類に付着している菌を殺菌することができるので、調理時の温度・時間設定の際に留意するようにしましょう。

低温調理器を安全に使うためのポイント

低温調理器での調理には食中毒などのリスク・危険性がありますが、正しい使い方をすればもちろん問題なく料理を楽しむことができます。ここでは低温調理器での料理を安全に楽しむための方法やポイントについて解説していきます。

菌が繁殖しやすい温度帯を避ける

低温調理器の危険性・安全性

肉類などに付着する食中毒を引き起こす細菌は、周囲の温度によって増殖したり死滅したりします。以下は菌の繁殖に関する温度の目安です。

15~30℃ かなり増殖する
30~38℃ 激しく増殖する(繁殖のピーク)
38~40℃ かなり増殖する
40~60℃ 徐々に増殖する
60℃以上 5~10分で死滅する(増殖しない)
75℃以上 ほぼすべての菌が死滅する

低温調理をする際、中までしっかりと中まで加熱するためには低温調理器で湯せん調理する前に食材を常温に戻しておくといいでしょう。冷たいまま加熱を行うと低温調理を開始しても温度がなかなか上がらず、菌が繁殖しやすい温度帯にさらされる時間が長くなってしまう傾向にあります。ただし、室温が高い場合には短時間にするなど注意が必要です。

低温調理する食材の特徴を知ること

低温調理器の危険性・安全性

食中毒などの危険性を低下させるためには、低温調理器で調理を行う食材それぞれの特徴や扱いについて知ることも大切です。

例えば肉類に関して言えば、牛肉・豚肉・鶏肉でそれぞれ食中毒の危険性や安全な扱いは異なります。牛肉はブロックの状態だと菌がついている可能性があるのは表面のみで、それ以外の内部については無菌状態となります。内部に菌が付くのは調理で切り分けたときに調理器具や食器、人の手を経由して付着すると考えられています。そのため、牛肉の場合は中心部の温度が他の肉に比べて低くても食中毒などを引き起こす危険性が低いのです。

一方、豚肉と鶏肉については肥育環境や体質によって生体そのものが菌を所持していることがあります。菌を持たないSPF豚などもいますが、一般的には豚肉・鶏肉については中までしっかりと殺菌できる温度で加熱することが必要だとされています。さらに、豚肉は寄生虫リスクもあるので特に十分な加熱が必要です。

また、国産と海外産でも違いがあります。日本では牛肉などへの肥育ホルモン(成長を促すためのホルモン)の使用が禁止されていますが、アメリカやカナダ、オーストラリアなど日本が食肉を輸入することの多い諸外国では一定量の肥育ホルモンの投与が認められています。特にアメリカ産の食肉は残留ホルモンが多い傾向にあると言われています。
EUでは牛への肥育ホルモンの使用が禁止されているので、海外産の中では一番安全性が高いとされますが、一般のスーパーではあまり扱われておらずネット通販などを利用して入手することになります。

こうした特徴や菌繁殖の危険度を踏まえて、国内の低温調理器専門メーカーである『BONIQ(ボニーク)』では、肉種ごとの加熱時間・温度の基準が設定されているのでぜひ参考にしてください。

・牛肉の加熱時間と温度基準表

56℃…2cm:3時間20分/3cm:4時間/4cm:5時間
57℃…2cm:2時間35分/3cm:3時間15分/4cm:4時間15分
58℃…2cm:2時間/3cm:2時間40分/4cm:3時間40分
59℃…2cm:1時間35分/3cm:2時間15分/4cm:3時間15分
60℃…2cm:1時間20分/3cm:2時間/4cm:3時間
61℃…2cm:1時間15分/3cm:1時間55分/4cm:2時間55分
62℃…2cm:1時間05分/3cm:1時間45分/4cm:2時間45分
63℃…2cm:1時間05分/3cm:1時間45分/4cm:2時間45分
64℃…2cm:1時間/3cm:1時間40分/4cm:2時間40分
65℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
66℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
67℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
68℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
69℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分
70℃…2cm:55分/3cm:1時間35分/4cm:2時間35分

・豚肉の加熱時間と温度基準表

57℃…1cm:8時間15分/2cm:8時間50分/3cm:9時間30分
58℃…1cm:5時間20分/2cm:5時間50分/3cm:6時間30分
59℃…1cm:3時間30分/2cm:4時間/3cm:4時間40分
60℃…1cm:2時間20分/2cm:2時間50分/3cm:3時間30分
61℃…1cm:1時間35分/2cm:2時間10分/3cm:2時間50分
62℃…1cm:1時間10分/2cm:1時間40分/3cm:2時間20分
63℃…1cm:50分/2cm:1時間20分/3cm:2時間
64℃…1cm:45分/2cm:1時間15分/3cm:1時間55分
65℃…1cm:40分/2cm:1時間10分/3cm:1時間50分
66℃…1cm:35分/2cm:1時間5分/3cm:1時間45分
67℃…1cm:30分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
68℃…1cm:30分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
69℃…1cm:25分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
70℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分

・鶏肉の加熱時間と温度基準表

57℃…1cm:2時間10分/2cm:2時間40分/3cm:3時間20分
58℃…1cm:1時間35分/2cm:2時間5分/3cm:2時間45分
59℃…1cm:1時間10分/2cm:1時間40分/3cm:2時間20分
60℃…1cm:50分/2cm:1時間25分/3cm:2時間5分
61℃…1cm:40分/2cm:1時間10分/3cm:1時間50分
62℃…1cm:35分/2cm:1時間05分/3cm:1時間45分
63℃…1cm:30分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
64℃…1cm:25分/2cm:1時間/3cm:1時間40分
65℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分
66℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分
67℃…1cm:25分/2cm:55分/3cm:1時間35分
68℃…1cm:20分/2cm:55分/3cm:1時間35分
69℃…1cm:20分/2cm:55分/3cm:1時間35分
70℃…1cm:20分/2cm:55分/3cm:1時間35分

ただし、お年寄りや小さな子ども、病中病後など免疫力が低下している人の場合は推奨温度設定に関わらず、厚生労働省サイトによる食中毒に関する指示に従い、すべての肉で「中心温度75℃・1分以上」の加熱をするようにしましょう。

肉の「レア」と「生」の違いを知ろう

低温調理器の危険性・安全性

ステーキの焼き加減のひとつとして火の通りが最も少ないものを「レア」という言葉で表現します。低温調理でも肉内部が同じような状態になるため、ここで「レア」とはどのような状態なのか詳しく解説しておきたいと思います。

「レア」は表面はしっかりと火が通っているが、中心温度が55~65℃以下で生のように赤く、肉汁が多い状態。一見表面を炙ったカツオのたたきと同じように見られますが、たたきの場合は内部を一切加熱しない完全な「生」の状態です。「レア」の場合は余熱を利用して55~65℃程度まで加熱してあり、低温調理器でも長時間加熱することで同様の加熱ができるとされています。
ただし、前述した通り牛肉の場合は内部に菌は付着していないため、中心部への加熱は豚肉や鶏肉と比べて短時間で安全性が確保されると考えられています。

低温調理器の特徴や他の調理法との違いについて

低温調理器の特徴とメリット・デメリット

低温調理器の危険性・安全性

低温調理器は60~90℃程度の低温に維持されたお湯で食材を湯せん調理する調理機器です。食材をフリーザーバッグなどに入れて真空状態にし、低温でじっくりと時間をかけて加熱するため、他の調理法にはないメリットを得ることができるとして注目されているのです。

真空調理のためムラなく均一に加熱を行うことができて、食材の水分や栄養素を逃さないので旨味たっぷり!ボリュームのある肉料理なども内部までしっかり加熱ができて、しっとり柔らかな仕上がりになります。
また、焦げや加熱不足などの失敗が少ないので、ローストビーフやチャーシュー、鶏ハムなど火加減のむずかしい料理にもチャレンジしやすいと評判です。

また、低温調理器では温度と時間を設定するだけで後は放っておくだけで調理が完了するので、その間に他の料理を作ったり家事をすることも可能。忙しい人にとっても使いやすい調理機器で、多くの人気を集めているのです。

なお、低温調理器の仕組みについてはこちらで詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
低温調理器とは?仕組み・原理・できること・メリットを分かりやすく解説

低温調理器のメリット

  • 食材の栄養や水分を逃さず調理できる
  • 温度と時間設定後は基本的に放っておいてOK
  • 火加減のむずかしい料理も失敗しにくい
  • 真空状態でつくるため味の染み込みが良い
  • 複数のメニューを同時に調理できる
  • 調理中の油はねなどがなく片付けが簡単

低温調理器のデメリット

  • 料理完成までに時間がかかる
  • 低温調理中の鍋を置いておくスペースが必要
  • 加熱不足による食中毒の危険性がある

他の調理法の特徴や低温調理との違い

低温調理は焼く・煮る・蒸すに次ぐ第4の調理法とも呼ばれています。
高温で一気に加熱する従来の調理法に比べて、低温で加熱するため調理に時間がかかってしまいますが、味や栄養面では多くのメリットがあることもわかっています。

低温調理器では食材を真空調理するため、焼く・煮る・蒸すなどの調理法では逃してしまいがちな水分や栄養素を食材にしっかり留めておくことができるのです。また、調味料などを入れて低温調理すると少量の調味料でもしっかり味が染み込むというメリットもあります。

ただし、60℃前後の低温で肉の調理を行う場合、細菌繁殖による食中毒の危険性があるので注意が必要。低温調理メニューのレシピやメーカーの加熱基準表などを参考にして安全性の確保に努めましょう。

低温調理器の危険性と安全な使い方まとめ

低温調理器の危険性・安全性

低温調理器ではローストビーフなど一見むずかしい料理も簡単に作れるため、日々の料理やパーティ・おもてなし料理にも便利に活用することができます。しかし、従来の調理法に比べて加熱温度が低いため、食材の扱いや加熱時間に注意しないと食中毒のリスクが高まるということがわかっています。

ここでは低温調理器の安全な使い方だけでなく、国内の低温調理器メーカー『BONIQ(ボニーク)』が推奨している肉の加熱時間の基準も紹介してきました。それらを参考に、菌の繁殖しやすい温度帯をできるだけ避けて安全に調理を行って低温調理ライフを楽しんでくださいね♪

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