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低温調理器には殺菌が必要?カンピロバクターなど菌が繁殖する?

 
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夏の暑い時期に料理をする際、最も注意したいのが食中毒です。
食中毒リスクを少しでも避けるために包丁やまな板などのキッチンツールをこまめに除菌している方も少なくありませんが、近年人気を集めている低温調理器にも殺菌は必要なのでしょうか?

低温調理器といえば、自宅で簡単手軽にプロの味を再現できることから料理好きの方のブログやSNSで『BONIQ(ボニーク)』や『ANOVA(アノーバ)』といった低温調理器の口コミ評判の高さが話題となっています。
この低温調理器は時間や温度を一定に保ち食材に低温でじっくり熱を通すことで一般家庭の加熱調理では再現できない味や触感を楽しめるキッチンツールですが、低温調理だからこそ食中毒リスクとは切っても切れない関係と言えます。

低温調理器に興味があるけど、食中毒リスクは怖い・・・
殺菌すれば安全に使えるものなの?
これからの時期はカンピロバクターが特に怖い・・・

といった不安をお持ちの方が少なくありません。

結論から言うと、低温調理器そのものに殺菌は必要ありません!
カンピロバクターをはじめ食中毒の原因となる菌は色々ありますが、これは食材が持つ菌であり、低温調理器そのもはアルコールなどによる特別な殺菌処理は必要ありません。

だったらどんなお手入れ方法をすればいいの?
これからの季節、食中毒リスクを避けるためにはどんなポイントに注意すればいいの?

今回はこういったお悩みをお持ちの方に向けて、

  • 低温調理器と菌は切っても切れない関係!?
  • 食中毒を引き起こす原因は低温調理器?食材?
  • 低温調理器に殺菌は必要?
  • 夏場こそ気を付けたい!カンピロバクターの怖さとは
  • 低温調理器で食中毒リスクを避ける方法は温度&時間管理!
  • 低温調理器のお手入れ方法

といった内容をご紹介します。

この記事を読めば低温調理器で食中毒リスクを避けるための方法が分かり、食中毒が気になるこれからの季節も安心して低温調理器を使えますよ。
実際に低温調理器を愛用しきちんとお手入れをして食中毒リスクを避けてきた私が保証します!

低温調理器の購入を検討しているものの、食中毒リスクも気になっているという方はぜひ参考にしてくださいね。

低温調理器に殺菌は必要?注意しておきたい菌とお手入れ方法について

低温調理器と菌は切っても切れない関係!?

低温調理器の食中毒リスクを避ける

食中毒リスクが高まる季節といえば・・・夏です!
調理した料理を常温保存すると1日も経たずに菌が繁殖して、その料理を口にすると食中毒を引き起こすことがあります。

調理したての熱々の料理は粗熱を取ったのち冷蔵庫で冷やすことで食中毒の原因菌の繁殖を防ぐことができますが、しっかり冷えてから冷蔵庫に入れる場合には冷蔵庫に入れる時点で菌がかなり繁殖しています。
粗熱が取れてからしっかり冷えるまで、この間の温度こそが食中毒の原因菌が繁殖しやすい環境ということです!

実は「食中毒の原因菌が繁殖しやすい温度」というのは「低温調理の温度」でもあります。
そのため低温をキープして食材にじっくり熱を通す低温調理器での調理は食中毒の原因菌との闘いでもあります。

一般的に食中毒の原因菌は30~40℃で繁殖しやすく、10℃以下・60℃以上で繁殖しなくなる場合が多いです。
つまり低温調理で食中毒リスクを避けるには30~40℃を避けることが重要なポイントとなります。

とはいえ、低温調理器のメリットは食材に低温でじっくり熱を通すことで一般的な加熱調理ではできない食感や味を楽しむことにあるため、低温調理器で食中毒を起こさないためには原因菌をしっかり殺菌することが重要となります。

食中毒を引き起こす原因は低温調理器?食材?

低温調理器の食中毒リスクを避ける

低温調理で食中毒を引き起こさないためには30~40℃での調理を避けることですが、必ずしも厳守する必要があるわけではありません。

そもそも食中毒を引き起こす原因が低温調理器と食材のどちらにあるかといわれると、食材のほうにあります。
食材を調理する前の段階で食中毒の原因菌は付着しています。
この付着した菌を調理の段階で殺菌することでしか食中毒リスクを避けることはできません。

食中毒を引き起こす原因菌はカンピロバクターやO-157などが有名ですが、この他にも色々な菌が存在し、食材によって付着する菌が異なります。
つまり食材にどんな菌が付着し、その菌を殺菌できる温度でしっかり食材の中心まで熱を通すことこそが食中毒を避けるうえで重要ということです。

低温調理器に殺菌は必要?

低温調理器の食中毒リスクを避ける

低温調理器を使って調理の食中毒リスクは食材に付着した菌の繁殖が原因となるため、低温調理器そのものを殺菌する必要はありません。
食材に付着した菌が低温調理器に付着するのでは?と思うかもしれませんが、低温調理器の調理方法が低温調理器に菌が付着することを防いでくれます。

低温調理器を使った調理方法は真空調理とも呼ばれ、ジッパーバッグなどに食材や調味料を入れ、密閉したジッパーバッグを低温調理器で予め設定しておいた温度のお湯に入れ、湯せんで食材に熱を通します。
つまり食材に付着した菌が低温調理器に付着することはないので、低温調理器を殺菌する必要がないということです。
低温調理器が触れるのは水のみ。そのため使用後は軽く水洗いするだけで充分です。

ただし、調理の過程で食材やジッパーバッグ内の液に触れた場合などはしっかり洗って殺菌する必要があるほか、低温調理前の下拵えの際に汚れた手で低温調理器に触れることは食中毒リスクを高めるだけでなく低温調理器を使った後に収納する場所で菌が繁殖する原因となるので注意しましょう。

夏場こそ気を付けたい!カンピロバクターの怖さとは

低温調理器の食中毒リスクを避ける

これまで食中毒の原因菌といえばO-157やサルモネラ菌が有名でしたが、近年“一番危ない食中毒菌”として注目を集めているのがカンピロバクターです。
カンピロバクターによる食中毒は年々増加傾向にあり、その数は年間2,000~3,000人とノロウイルスに次いで2番目の多さとなっています。

カンピロバクターはもともと牛・豚・鶏の腸内に生息している菌で、食中毒の原因菌がカンピロバクターである場合には肉類が感染源である場合が多いです。
カンピロバクターが恐ろしいのは人間の体内に少量でも入っただけで腸炎を引き起こし、腹痛・下痢・吐き気・発熱・頭痛といった食中毒の代表的な症状が現れるほか、炎症性多発神経障害により筋力低下などの症状が現れるギランバレー症候群を引き起こすことがあります。

さらに肉類に付着したカンピロバクターは冷凍しても殺菌することができません。
よく肉類を大量に購入し小分けにして冷凍することがありますが、肉に付着したカンピロバクターは冷凍されても長期間生き続けることができます。
そのためカンピロバクターには「冷蔵庫で保存すれば大丈夫」「冷凍すれば大丈夫」といった他の菌に対する処置が通用しません。

上記でも紹介したように食中毒の原因菌の多くは30~40℃で繁殖するため、冷凍したり冷蔵庫で保存することは菌の繁殖を抑制するには効果的です。
しかしカンピロバクターの場合、冷凍や冷蔵庫保存がカンピロバクターの繁殖を抑えることには繋がっても殺菌することには繋がらないので、完全に殺菌するにはやはり加熱調理しかありません。

カンピロバクターを殺菌するための温度は?

肉類に付着したカンピロバクターはしっかり加熱することで殺菌できます。
肉の色がしっかり変わるまで調理すればしっかり殺菌できますが、低温調理器を使って調理をする場合は「65℃以上」で熱を通しましょう。
その際、肉の中心温度が1分間は75℃以上になる必要があります。
65℃以上の熱を数分間通すことで中心温度が1分間は75℃以上になるので、「最低でも65℃で5分間」を目安にすると良いでしょう。

また熱の通りをよくするために食材となる肉を薄い状態で使用するとより確実にカンピロバクターを殺菌することができます。
肉類の中でも特にカンピロバクターが付着しているとされてるのが鶏肉です。
鶏肉を使った低温調理器レシピでは「鶏肉のコンフィ」が人気ですが、肉が厚い部分には予め包丁を入れて薄くしておくなどしておきましょう。

低温調理器の食中毒リスクを避ける

なお、こちらでは低温調理器を使って作るコンフィをご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
低温調理器で美味しいコンフィを作る!おすすめ温度・レシピを公開

近年ではサラダチキンなども人気ですが、鶏ささみ肉をさっと湯通しした程度ではカンピロバクターを殺菌することはできないので、低温調理器でサラダチキンなどを作る際はしっかり中心まで熱を通すように注意しましょう。
また食べる前に肉をカットし、中心部分にしっかり熱が通っているか確認してから食べるようにして下さい。

肉類を調理した道具もしっかり殺菌!

低温調理器の食中毒リスクを避ける

低温調理する前に肉類をカットした包丁やまな板、味付けなどに使用したボウルなどはしっかり洗いましょう。
カンピロバクターは少量でも感染するリスクが高い菌なので、道具はお湯でしっかり洗い、アルコール消毒や漂白剤などで殺菌してください。

肉に手で直接触れた場合もしっかり手洗いをします。
指の間や爪の隙間などもアルコールジェルなどでしっかり洗って殺菌をしてください。

低温調理器で食中毒リスクを避ける方法は温度&時間管理!

低温調理器の食中毒リスクを避ける

低温調理器を使った調理でカンピロバクターによる食中毒を避けるには食材の中心温度が1分以上75℃になることがポイントですが、これは肉類だけでなく魚類を調理する際にも通用します。

とはいえ、低温調理器を使ったレシピでは必ずしも温度設定が75℃や65℃ではないものがあります。
もし設定温度が低い場合には設定時間を長くすることで食中毒の原因菌を殺菌することができます。

厚生労働省では食材に付着している菌を殺菌する目安となる温度・時間を次のように示しています。

  • 70℃⇒3分
  • 69℃⇒4分
  • 68℃⇒5分
  • 67℃⇒8分
  • 66℃⇒11分
  • 65℃⇒15分

この目安となる温度・時間設定は食材や食材の厚みによってまた少し異なってきますが、低い温度ほど長時間かけて熱を通すことで殺菌は十分可能ということです。

低温調理器のお手入れ方法

低温調理器の食中毒リスクを避ける

低温調理器そのものには食中毒を引き起こすリスクはありませんが、使った後はしっかり洗って清潔に保つことが重要です。
そのためお手入れ方法もしっかりチェックしておきましょう。

基本のお手入れ方法

低温調理器を使用する頻度にもよりますが、毎日1回使用する場合には使用後に水洗いするだけでOKです。
その際に中性洗剤を付けたスポンジで軽く洗うとさらにGOODです!
洗った後はしっかり水気を切り、乾かしてから収納しましょう。

週に1回のお手入れ方法

低温調理器を毎日1回ほど使用する場合には週に1回の頻度でしっかりお手入れをしましょう。
毎日のお手入れは使用後の水洗いだけでOKですが、週に1回はカバーを外して中までしっかり洗いましょう。
その際に中性洗剤を使って洗ってくださいね。
洗った後はしっかり乾かした後でカバーを装着し収納します。

理想としては毎回カバーを外して中まで洗う方が良いですが、低温調理器の使用頻度が多い場合は週1回の念入りお手入れで十分でしょう。
使用頻度が週1回未満の場合は毎回しっかり念入りお手入れを行うことをおすすめします。

液晶画面が水に濡れないように注意!

低温調理器のお手入れは基本的に水洗いですが、その際に本体の液晶画面が濡れないように注意してください。
液晶画面が水に濡れると故障の原因となるので、濡れないようにそ~っと洗うかタオルやラップなどで包んでから洗うと良いでしょう。

<まとめ>低温調理器のお手入れは簡単!温度&時間管理でカンピロバクターを殺菌!

 

低温調理器の食中毒リスクを避ける

今回は低温調理器と殺菌について詳しくご紹介しましたが、いかがでしたか?

これからの季節、食中毒には一段と注意を払う時期でもあります。
特にカンピロバクターは少量でも感染しやすい危険な菌なので、肉類などの食材だけでなく包丁やまな板などのキッチンツールもアルコールなどでしっかり殺菌する必要があります。

低温調理器本体に限ってはカンピロバクターなどの菌に触れることがないので特に殺菌する必要はなく、使用後にサッと水洗いするだけで充分です。
週に1回の頻度でカバーを取り外し、中までしっかり洗うことは忘れずに!

低温調理器を使った調理で食中毒リスクを避けるには調理する温度と時間の設定が最も需要です。
特にカンピロバクターは65℃で5分間以上加熱すること(中心温度が75℃で1分以上になること)で殺菌することができます。
他の食材に関してもレシピによっては設定温度が65℃以下の場合がありますが、その時は加熱時間を長くすることで十分に殺菌することができます。

少しでも食中毒リスクを避けるために、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてくださいね。

なお、低温調理器と食中毒リスクについてはこちらでもご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
低温調理器の危険性・安全性|注意点やリスクを分かりやすく解説します

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