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土鍋の底を濡らすと危険?土鍋で下痢になる?注意点・扱い方について

 
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土鍋は冬場の鍋ものだけでなく、ご飯を炊いたり煮物や蒸し料理を作ったりとさまざまな調理に使うことが出来ます。

日常的に使いたい便利なキッチンアイテムですが、土鍋は重く割れやすいなどという性質からリスクや気をつけるべきことがいくつかあります。
そのため、扱いが面倒に感じてしまい土鍋を使う機会が減ってしまう人も少なくないようです。

結論から言うと、土鍋は金属鍋に比べると割れやカビなどのリスクがあります。
しかし、正しい使い方を知ることでそうしたリスクをしっかりと防ぐことが出来ます。

この記事を読むと次のことが分かります。

  • 土鍋の使用で起こる可能性のあるリスク
  • 土鍋の割れを防ぐ方法や注意点
  • 土鍋の焦げつきを防ぐ方法や注意点
  • 土鍋で健康被害を防ぐ方法や注意点
  • IHヒーターで土鍋を使う場合の注意点

ここでは、土鍋を使う時にやるべきお手入れややってはいけないことを詳しく紹介していきます。
土鍋を日常的に愛用している私が気をつけていることや、簡単に出来るお手入れ方法をまとめています。

土鍋の使用で起こる可能性のあるリスク

土鍋の注意点・扱い方

土鍋は色々な調理が可能で、食材の良さを引き出して料理をおいしく仕上げることが出来る便利な調理器です。
土鍋のメリットや魅力が見直され、近年土鍋で作るさまざまな料理に注目が集まっています。

しかし、土鍋には他の鍋とは異なるリスクがあるということも覚えておきましょう。
安全に調理するために、土鍋の特徴と危険性を知っておいてください。

土鍋のリスク①割れ、欠けが出来やすい

土鍋の注意点・扱い方

土鍋はその名の通り、土を成型・焼成して作られた鍋です。
そのため金属製の鍋とは異なり、落とせば割れてしまいますし、お玉など固いものをぶつけることで欠けてしまうこともあります。

特に土鍋は厚みがあって重いので、落としたり手をすべらせてしまったりすることも少なくありません。

また、土鍋は急激な温度変化が起こるとひびが入って割れてしまうことも。
特に、鍋の底部分が濡れたまま火にかけたり、空焚きしたりすると割れてしまいやすいので十分に気をつけてください。

ちなみに、土鍋は使っていくと表面に釉薬が塗られている部分に「貫入」と呼ばれる特有のひびが入ります。
このひびは熱による土の膨張を分散して、土鍋自体が大きく割れることを防ぐためのものなので心配しなくていいでしょう。

土鍋のリスク②多量の油で引火の危険性あり

土鍋は鍋ものだけでなく、炊飯に使ったり具沢山の炊き込みご飯、パエリアやピラフ、煮物、蒸し野菜、スイーツ、パンなどさまざまなレシピに対応している万能調理器です。

しかし、天ぷらやからあげなどの揚げもの調理に土鍋を使うことはNGとされています。

土鍋は吸水性が高いという性質を持っていることから、大量の油を長い時間入れておくと土鍋自体が油を吸ってしまいます。
その油が外に染み出して引火してしまう恐れがあるので、出来るだけ多くの油を使う調理には使用しないようにしましょう。

土鍋のリスク③カビや鉛害による健康被害

土鍋の注意点・扱い方

土鍋は優れた吸水性を持っていることから、調理に使ったり洗ったりした時に水分を吸い込んでしまいます。
そのため、収納する前にしっかりと乾燥させておかないと、内部に水分が残ってカビが生える原因になってしまうのです。

カビが生えていてもきちんと洗ってカビを落とせば問題ありませんし、多少カビが生えている状態で使用を続けてもすぐに健康被害が出るとは限りません。

ただし、体調や体質によってはカビが原因で腹痛や下痢、嘔吐が起こる可能性もゼロではありません。
また、アレルギー症状が引き起こされることもあるので、土鍋にカビが見つかった場合はしっかりとお手入れしましょう。

土鍋による健康被害としてもうひとつ注目したいのが“鉛中毒”です。
基本的に土鍋に鉛は含まれていませんが、以前中国製の比較的安価な土鍋から釉薬に含まれた鉛やカドミニウムが漏れ出すという事故がありました。

トラブルが起きた対象の土鍋はすぐに回収されましたが、表沙汰になっていないだけで同様の作りの土鍋は他にもあるのではないかと考えられています。

土鍋に含まれていた鉛はただちに健康に影響を与える量ではないとされていますが、摂取しすぎた場合脳や腎機能の障害、筋肉の衰弱などが起こる可能性があります。

土鍋のリスクを防ぐ方法や扱い方、注意点

土鍋の注意点・扱い方

実は鍋ものだけでなく日常的に気軽に使える土鍋ですが、金属製の鍋に比べて扱い方やお手入れに注意が必要です。
使い方を間違えることによって、焦げつきや割れなどのリスクが高まってしまうので、正しい扱いや注意点について確認しておきましょう。

土鍋の割れを防ぐ方法や注意点

割れ対策①土鍋の使い始めに目止めを行う

土鍋は土で作られているため、表面にかすかなすき間や小さな穴が出来ていることがあります。
こうしたすき間や穴をそのままにして調理を行うと、ひびから水漏れしたり調味料や食材のにおいや色が染み込んでしまうことがあります。

土鍋のひびや割れ、焦げつきなどのトラブルを防ぐために、土鍋の使い始めに“目止め”という処理を行うことが推奨されています。
この目止めを行うことで土鍋表面の穴やすき間が埋まり、ひび割れなどを起こしにくくなるのです。

まず、しっかりと洗って乾かした土鍋に、米の研ぎ汁またはお米+水を入れて火にかけます。
沸騰したらそのまま30分程弱火で加熱し、火を止めてください。
熱が冷めたら米の研ぎ汁を捨て、しっかりと水洗いしてください。

お米に含まれるでんぷん質が、土鍋の表面をコーティングしてすき間や穴を埋めてつなぎとめます。
使い始めだけでなく、久しぶりに土鍋を使う時やひび割れが目立ってきた時、焦げつきやすくなってきた時などにも目止めを行うといいでしょう。

割れ対策②濡れたままの加熱や急冷をしない

土鍋は急激な温度変化が起こるとひびや割れを起こしやすくなります。
特に土鍋の底部分が濡れている状態で火にかけたり、土鍋が冷えた状態から強火で一気に加熱したりするとそのリスクが高まります。

底が濡れている時は布巾などで水分をしっかりと拭ってから火にかけるようにし、火にかける時は弱火で土鍋自体をあたためてから調理を始めるといいとされています。

また、土鍋を焦がした時に慌てて洗い流そうとして水をかけることもあるようですが、急冷することも割れの原因になります。
焦げてしまった場合は、土鍋の熱が冷めるまで待ってから水を入れて一晩おいてから焦げを落とすようにしましょう。

土鍋の焦げつきを防ぐ方法や注意点

焦げ対策①火力や加熱時間に気をつける

土鍋の注意点・扱い方

土鍋で最も起こりやすいトラブルが焦げつきです。
焦げや食材の付着は土鍋の見た目を悪くするだけでなく、カビやひび割れの原因になることもあるので、出来るだけ避けたいものです。

土鍋が焦げてしまう主な原因は、調理時の火力が強すぎることや加熱時間が長すぎることだと思います。
そして食材の水分量が少なすぎる場合も土鍋に付着してしまいやすくなります。

火力や加熱時間はレシピに従って設定すれば問題ありません。
ただし、調理の状態は土鍋の大きさや厚み、調理時の気温などによって大きく左右されるため、火力や時間をこまめに調整しながらベストな調理時間を掴むようにしましょう。

また、先に説明したように目止めを行うことも焦げつきの予防になるのでぜひ試してみてください。

焦げ対策②コーティングされた土鍋を使う

土鍋の焦げを防ぐために自然の土と釉薬だけでなく、鉱物や金属を混ぜて作られているものや、焦げつき防止のための鍋底に敷くプレートなどが付属されているものもあるのでチェックしてみましょう。

また、焦げや食材の付着を防ぐためにフッ素加工や撥水加工などのコーティングが行われているものもあるので、焦げつきが特に気になる場合はそのような加工が施された土鍋を選ぶのもひとつの方法です。

なお、こちらでは土鍋に食材がくっつかないようにする方法を解説していますので、興味がある方はご覧ください。
土鍋にお米・うどんがくっつく!くっつかないようにする方法は?

土鍋で健康被害を防ぐ方法や注意点

健康被害予防①焦げや汚れを残さない

土鍋の注意点・扱い方

土鍋のカビなどによる健康被害を予防するためには、土鍋に焦げや汚れを残さないことが大切です。

軽い焦げや食材の付着であれば、調理後の土鍋の熱が冷めたら中に水を入れて一晩そのまま置いておきましょう。
土鍋は吸水性が高いので、水を含ませることで焦げやくっついた食材が剥がれ落ちやすくなるのです。

一晩置いたらスポンジや布巾などやわらかいもので焦げを優しくそぎ落とすように洗いましょう。
金属製のヘラや固いものでこすると、土鍋を傷つけてしまう可能性が高いので使用しないようにしてください。

浸け置きする際に洗剤を入れると、洗剤の成分も吸収してしまうので使わないようにしましょう。
洗剤を使って汚れを落としてすぐに洗い流せば問題ありませんが、長時間洗剤を入れっぱなしにしないようにしましょう。

また、お米や肉、魚などでんぷん質やたんぱく質を多く含む食材が付着した場合は、重曹を使って洗うのがおすすめ。
野菜やきのこ、果物などの食材が付着した場合はお酢やクエン酸を使いましょう。

土鍋に水を入れて重曹を大さじ3~4杯入れてから弱火にかけます。
沸騰させた後冷まして、お湯を捨てたらスポンジなどで焦げつきを落としてください。
お酢やクエン酸を使って焦げつきを落とす場合も重曹と同様の工程で行ってください。

ただし、重曹は大量に使うと土鍋の釉薬を傷める恐れがあります。
重曹を使って洗浄する場合は多用しすぎないように気をつけましょう。

健康被害予防②土鍋がカビたらお酢で除去

土鍋は水分を含んだまま収納してしまうとカビが発生してしまいます。
表面的に水気がなくても、吸水性が高いことから内部に水分が残っていることは多いので、使用後は3~4日風通しのいい場所に置いて完全に乾燥させるようにしましょう。

それでも収納場所や収納時期などによっては土鍋にカビが生えてしまうこともあると思います。
基本的にカビは洗い落とすことが出来ると思いますが、内側まで入り込んでしまっている場合はお酢やクエン酸を使って除去するようにしましょう。

土鍋に8分目までの水と大さじ3杯のお酢を入れます。
そのまま弱火にかけて10分間煮立ててください。
お湯が冷めたら捨て、しっかりと洗い流しましょう。

キッチン用品にカビが発生すると、漂白剤を使用してお手入れすることが多いと思いますが、土鍋への漂白剤の使用は控えてください
漂白剤が土鍋に吸収されて成分や独特のにおいが浸透してしまうことがあるからです。

なお、こちらでは土鍋のお手入れや収納について詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
土鍋の収納方法|100均で買えるアイデア満載のおすすめ箱・ケース

健康被害予防③安全性を意識して土鍋を選ぶ

土鍋の注意点・扱い方

先にも説明したように、一時期販売されていた中国製の土鍋から鉛が流出するという事故がありました。
土鍋の上薬として使われる釉薬に鉛が含まれており、加熱したことで流出したと考えられています。

検出されたのは人体に深刻な影響を与える程の量ではありませんでしたが、鉛の継続的な摂取や多量の接種は健康被害の原因となるためすぐに回収されました。

2009年の食品衛生法改定によって、法律上人体に影響が出る程の鉛が入った国産食器は存在しないことになっています。

また、国外から輸入される食器についてもさまざまな検査が行われているため、危険度の高い土鍋はないと考えられていますが、海外製の安価な製品や古すぎるもの、オークションで個人販売されているものなどは避けた方がいいでしょう。

さらに、割れや欠けなどのトラブルを防ぐために、ペタライトという粉末化された石を混ぜて作られた土鍋も多く見られるようになってきました。

ひび割れなどの危険性を予防するために、そのような観点で土鍋の素材を選ぶのもおすすめです。

土鍋のリスクと正しい扱い方・注意点まとめ

土鍋の注意点・扱い方

土鍋は土で出来ていることから、ひびや割れ、欠けなどが起こる可能性があります。
また、金属鍋に比べて焦げつきやすく食材や調味料の色やにおいが移ってしまうことなどもあります。

しかし、使用前に目止めすることや汚れをしっかり落とすこと、加熱時間に注意することなどでそうしたリスクを防ぐことが出来ます。
どれもむずかしいことではないので、土鍋を使う際には意識してみて欲しいと思います。

また、最近では強度の高い土鍋も出てきているので安全で使いやすい土鍋を選ぶのもおすすめです。

土鍋の使い方は決してむずかしくありません。
正しい使い方をほんの少し意識することで、土鍋ならではの味わい深い料理を楽しんでくださいね。

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