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土鍋を強火で使うと割れる?注意点や正しい使い方を詳しく解説

 
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土鍋の使い方として「強火はよくない」と言われることがあります。
それを知って土鍋では強火にしないように気をつけているという人もいると思いますが、そもそもなぜ強火で使ってはいけないのでしょうか?

また、土鍋ご飯のおいしい炊き方として「強火で一気に炊き上げる」ことがおすすめされていることもあり、どちらが正しいのかわからず悩んでいる人もいるでしょう。

結論から言うと、土鍋を強火で使うこと自体は絶対にしてはいけないというわけではありません。
ただし、強火で使う場合はいつも以上に土鍋の扱い方や調理方法に注意を払う必要があるのです。

土鍋は急激な温度変化に弱いため、底部分が濡れている状態や空焚きをするとひび割れを起こすことがあります。
そして強火で加熱した場合、その危険性が高まると考えられているのです。

この記事を読めば次のことがわかります。

  • 土鍋を強火で使う際の正しい方法や注意点
  • 強火で土鍋ご飯を炊く方法や注意点
  • 土鍋が強火で焦げてしまった時の対処法

炊飯から煮込み料理など日常的に土鍋を使って料理をしている私も気になっていた土鍋と強火の関係について、ここでは詳しく解説しています。
土鍋+強火を上手に使いこなして、おいしい料理を安全に作り上げましょう。

土鍋を強火で使う際の正しい方法や注意点

土鍋を強火で使うのは危険?NGとされる理由とは?

土鍋を強火で使う際の正しい方法

土鍋の使い方を調べていると「土鍋は強火で使ってはいけない」とされていたり、土鍋の取扱説明書に「強火では使用しないでください」と書かれていることがあります。

なぜ土鍋を強火で加熱してはいけないかというと、土鍋は土を成型して作られた焼き物のためひびや割れが起こる可能性があります。
落としたりぶつけたりして割れるだけでなく、急激な温度変化が原因でひび割れてしまうこともあるのです。

特に土鍋の底部分が濡れていたり外気温が低く土鍋そのものが冷え切っていたりする時に、急激に熱が加えられるとひび割れを起こしやすいの強火での調理には注意しましょう。

また、強火で調理を行うと気がつかないうちに鍋の中の水分量が極端に減ってしまっていることがあります。
土鍋は空焚きすると割れてしまうため、強火で使っていることで空焚きが起こってしまう危険性があるのです。

強火で使用する場合は水分量などに気をつけ、出来るだけその場から離れず様子を見ながら調理するようにしましょう。

中にはペタライトという粉末化された石などが含まれたり、コーティングされたりして割れにくくなっている土鍋もあります。
しかし、土で出来ている以上、絶対に割れないというわけではないので扱い方は同じように注意してくださいね。

土鍋を強火で使うときの使い方や注意点

土鍋を強火で使う際の正しい方法

土鍋を強火で使う場合、割れや焦げつきなどのトラブルを避けるためいくつか注意しておきたいことがあります。
土鍋で強火調理をする場合の使い方や注意点をまとめたので、調理前にしっかりと確認しておきましょう。

底が濡れたままでは使わないこと

土鍋は急激な温度変化に弱いという性質を持っていて、強火で急激な温度変化が起こると割れてしまう可能性があります。

鍋の底部分が濡れたまま火にかけると、特にひびが入ったり割れてしまったりしやすいので、底部分が濡れている時はしっかり水分を拭き取ったり、少し時間をおいて乾かしてから使うようにしましょう。

これが強火以外で使う時にも気をつけるべきことですが、強火の場合は特に温度変化が激しくなってしまうので扱いに注意が必要です。

ちなみに、土鍋を使用し始めたばかりの頃釉薬が塗られている部分に蜘蛛の巣状に細かなひびが入ることがあります。

これは“貫入”と呼ばれる土鍋特有のひびで、大きな割れの原因になるものではないので安心してください。

貫入があることで土鍋が加熱された時に起こる土の膨張を分散され、土鍋が割れてしまうことを防いでくれるのです。

調理で使用していくうちに少しずつ入る細かなひびであれば貫入の可能性が高いので心配ありませんが、強火での急な加熱や熱い土鍋に水をかけた時にひびが入った場合は割れの原因になる可能性があるので注意しましょう。

強火にする前に弱火であたためておく

土鍋を強火で使う場合、最初に弱火で土鍋をあたためてから強火にするのもいいでしょう。
特に外気温が低く土鍋がかなり冷たくなってしまっている時などに行ってください。

土鍋の急激な温度変化を避けるために、1~2分を弱火であたためておいてから強火に移行すると割れてしまうリスクが下がると言われています。

長時間の強火調理は空焚きに注意

土鍋を強火で使う際の正しい方法

割れるなどの危険性があるため、土鍋の空焚きは禁止されていることがほとんどです。
強火で調理を行っていると気がつかないうちに煮詰まったり、水分が蒸発してしまって空焚き状態になってしまうことがあります。

また、土鍋はさまざまな料理に使うことが出来る便利な調理機器として注目を集めていますが、大量の油を使った揚げ物調理などは避けてください。

土鍋の持つ吸水性によって、長時間油にさらすことで土鍋が油を吸い込んでしまいます。そして土鍋から染み出た油に引火して火事の原因になってしまうことなどがあるので、十分に気をつけましょう。

“目止め”で土鍋の割れや焦げつきを防ぐ

土鍋を強火で使うと割れてしまうなどのリスクが考えられますが、そうしたトラブルを少しでも防ぐために使用前に“目止め”という処理をしておくことをおすすめします。

土鍋は土で作られているため、表面に小さな穴やかすかなすき間が出来ていることがあります。
調理に使用する上で支障はありませんが、そうした穴やすき間に食材や調味料が入り込んでにおいやシミ、カビの原因を作ってしまうことがあるのです。

また、そうした細かなすき間からひびが広がり、割れてしまうということも考えられるので、鍋の内側を“目止め”によって保護することが大切だとされています。

目止めの手順は以下の通りです。

  1. 土鍋を洗ってからしっかり乾燥させます。水分が残ったまま目止めを行うと効果が弱まってしまうので、目止め前はきちんと乾かすことがポイントです。
  2. 土鍋の中に米の研ぎ汁やひと握りのお米と水を入れて火にかけます。沸騰したら弱火にして30分程度加熱を続けます。
  3. 火を止めたら土鍋に手で触れる程度まで冷まし、水を捨ててからしっかりと洗います。

これによってお米に含まれているでんぷん質が土鍋の素材をしっかりとつなぎ止め、シミやにおい移り、焦げ、ひび割れなどのトラブルを防ぐことが出来るとされています。

目止めは使用開始時だけでなく、焦げ癖がついてしまった時やひびが目立ってきた時、久しぶりに使う時などにも行うといいでしょう。

強火で土鍋ご飯を上手に炊く方法や注意点

基本を押さえる!土鍋ご飯の炊き方

土鍋を強火で使う際の正しい方法

  1. お米をといでから30分~1時間を目安に水に浸します。米が水を吸ったら、ざるにあけてしっかりと水気を切ります。その後、土鍋にお米を移して水を加えます。(お米1:水2が目安)
  2. 土鍋を中火にかけて沸騰したら弱火にします。2~3合であれば弱火にしてから15分程度ふたを開けずに炊き上げてください。
  3. 弱火にして15分経過したり、パチパチと音がして水分がなくなってきたことがわかったらふたを開けて水分量を確認。表面に水が吹き上げていたり、大きな泡がぶくぶくと出ていたら、水気が多い状態なのでさらに1~2分弱火にかけて水気を飛ばしてください。
  4. 水分がなくなったら蒸らし工程のために中火で10秒加熱します。おこげを作りたい場合は30秒程度加熱するといいでしょう。
  5. 火を止めてふたをしたまま10分間蒸らせば土鍋ご飯の完成!ふたを取ってお米の粒を潰さないように混ぜ合わせ、余分な水分を飛ばしましょう。
    また、炊き上げたご飯をすぐに食べない場合には、鍋とふたの間に布巾などを挟んで湿気でご飯がべちゃべちゃにならないようにしておくとおいしく食べることができるのでおすすめです。

※土鍋の大きさや厚み、炊飯量によって沸騰までの時間や炊き上がりの状態が異なるので、基本の炊き方を目安に水量や加熱時間を調整してください。

プロの土鍋ご飯の炊き方!最初から最後まで強火のみ

土鍋ご飯は中火で沸騰させてから弱火で炊き上げるのが一般的ですが、プロの料理人の中には最初から最後まで一気に強火のみで炊き上げることをおすすめしている人もいます。

洗ったお米を2~3時間水に浸してから土鍋に入れて強火にかけます。
沸騰した後も火力を落とさず、吹きこぼしながら10分間炊き上げてください。
10分経ったらふたを開けて水分量を確認。水分がなくなり、表面に泡状の水分ではなく米粒が見える状態になっていたら火を止めて、ふたをして10分間蒸らします。

強火で炊くことでお米の旨味が凝縮され、一粒一粒に弾力が生まれて噛むごとに甘みを感じることが出来るとされています。

強火のみで炊き上げる場合には、通常よりも長い時間浸水させることが大切なポイントになります。
しっかり水分を吸ったお米であれば短時間での炊き上げでもふっくら仕上がるためです。
長い時間お米を浸水させる場合、雑菌の繁殖を防ぐために氷水を使用したり、冷蔵庫に入れておくと安心です。

ただし、強火での炊飯は吹きこぼしの工程もあるため、一般的なコンロやIHクッキングヒーターなどでは上手く出来ないこともあります。
汚れややけどが心配な場合は、アウトドアでの炊飯時などにぜひ試してみてください。

土鍋が強火で焦げてしまった時の対処法

軽い焦げや食材の付着の場合

土鍋を強火で使う際の正しい方法

強火での調理で土鍋が焦げてしまったり、食材がくっついてしまったときも慌てずにお手入れしましょう。

焦がした時、つい慌てて水をかけてしまったり、ゴシゴシと金だわしなどでこすってしまったりする人もいるようですが、それらは土鍋の割れや傷の原因になるので絶対にやめてください。

焦げてしまった時は、土鍋が素手で触れる程度のなるまで冷ましてから、中に水を入れて一晩おいておきましょう。
吸水性の高い土鍋は、浸け置きすることで水分を含み、焦げや付着した食材が柔らかくなりはがれやすくなるのです。

ただし、浸け置きの際に洗剤や漂白剤は使わないようにしてください。
土鍋が水と一緒にそれらを吸収してしまう恐れがあるので、水だけで行うようにしましょう。

ひどい焦げや食材の付着の場合

土鍋がひどく焦げついてしまったり、ご飯など食材がくっついてしまった場合には、上記のように水だけは十分な洗浄が出来ないこともあります。

そのような場合には、重曹やお酢またはクエン酸を使ってお手入れすることをおすすめします。
どちらも使い方は同じですが、焦げついたものがお米や肉、魚などでんぷんやたんぱく質を含むものの場合はアルカリ性の重曹を。
野菜が焦げついた時は同様に酸性のお酢またはクエン酸を使用するようにしてください。

土鍋に水を入れて重曹大さじ3杯(お酢50ccまたはクエン酸大さじ3杯)を加えて火にかけます。
ぐつぐつと煮立ったらお湯を捨て、焦げやくっついた食材をスポンジや布巾、指の腹などを使ってそぎ落としてください。
この時スプーンなどの金属や硬いものを使うと土鍋が傷ついてしまうので気をつけましょう。

水から煮立たせることで重曹やお酢などの効果が発揮されるので、お湯を入れるのではなく必ず水から始めるようにしてください。

また、重曹はアルカリ性のため頻繁に使うことで土鍋の釉薬が傷む恐れがあります。
重曹でのお手入れは長時間浸け置きなどをせず、多用しすぎないように気をつけてください。

土鍋を強火で使う際の正しい方法や注意点まとめ

土鍋を強火で使う際の正しい方法

土鍋を強火で使ってはいけないと言われることがありますが、それは土鍋が急激な温度変化に弱い性質を持っているためです。
強火で急激にあたためられることで土鍋にひびが入ったり、割れてしまう恐れがあるので十分に注意しなければなりません。

ただし、土鍋ご飯を炊く時など強火にすることにメリットがある場合もあり、絶対に強火で使用してはいけないというわけではないのです。

土鍋を強火で調理する場合には、いつも以上に扱い方に注意を払うことが大切。
急激な温度変化を避けるために、土鍋の底が濡れたまま火にかけないようにしたり、土鍋自体を弱火であたためておいてから強火で調理するようにしたりと注意して使うようにしましょう。

また、強火による土鍋のひびや割れなどの防ぐためにも日頃から焦げつきや汚れをしっかりと落とし、定期的に目止めをして土鍋を保護するなど丁寧に扱うようにすることをおすすめします。

なお、こちらでは土鍋のお手入れや収納について詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
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