妊婦が横向きに寝るとお腹・骨盤・肩が痛い?【妊娠後期は要注意!】
女性が妊娠中の場合、横向きに寝るとお腹が痛いと感じることがあるそうです。
他にも肩や骨盤が痛いと感じる妊婦さんも、多いんですよ。
特に妊娠後期になった妊婦さんは、様々なマイナートラブルに悩まされます。
そこで今回は、横向きで寝ると骨盤が痛い、横向きに寝るとお腹が痛いと感じるのはなぜか?
横寝だと肩も痛くなってしまう原因や理由について調べてみましたので、ご紹介していきたいと思います。
また、予防対策や防止・改善策もお話ししてきますので、ぜひ、最後までご覧になってくださいね。
もくじ
妊娠後期だとさらに痛い?横向きで寝ると骨盤が痛い理由と原因
妊婦さんのお腹が大きくなると、だんだんと仰向けで眠るのが難しくなってきますよね。
妊娠中におすすめされている寝方は「横向き寝」ですが、妊娠後期になると、肩や骨盤が痛くなることも珍しくありません。
横向きに寝るとお腹が痛いという方も、いらっしゃるそうですよ。
では、なぜ、横向きに寝ているのに、身体のあちこちが痛くなってしまうのでしょうか。
その原因・理由をお話ししていきます。
骨盤が歪んでいる
妊婦さんの身体は、日々出産にむけて、骨盤が歪んでいきます。
ですから、横向きで寝ると骨盤が痛い、というよりは、横向きで寝ていても骨盤が痛いというのが正しい言い方になりますね。
身体のゆがみが、骨盤だけでなく肩などの身体の痛みに繋がっている可能性があります。
赤ちゃんの位置が原因
妊娠後期になると、赤ちゃんの位置によって横向きで寝るとお腹が痛い、と感じることがあります。
横向き寝をしているとき、赤ちゃんの足が下側にあると、胎動の影響でちくちくするような痛みがあるんですよ。
これは妊娠中なら、誰が感じてもおかしくないことなので、あまり気にしないようにしてくださいね。
横向きで寝るとお腹が痛いときはどうすればいい?
妊娠中や妊娠後期に横寝をすると、肩や骨盤が痛くなってしまう原因は、やはり妊娠によるものでしたね。
こればっかりは、出産を終えて、身体の状態が元に戻るまでは仕方がないトラブルであるとも言えます。
しかし、身体が痛みを感じていては、ぐっすり眠ることもできませんよね。
特に、出産に備えてしっかりと体力を作らなければいけない時期ですので、睡眠不足は大敵です。
少しでも快適に眠れるように、予防・改善する方法がないのか、調べてみました。
身体の向きを変える
お腹が大きくなると寝返りを打つのも一苦労ですが、赤ちゃんの位置が原因で、横向きになるとお腹が痛いと感じるのなら、身体の向きを変えることで改善するかもしれません。
赤ちゃんの足が下にならないように、身体の向きを変えてくださいね。
胎動が激しい赤ちゃんだと、より効果が感じられますよ。
ストレッチやマタニティヨガを取り入れる
横向きで寝ると骨盤が痛い方は、ストレッチやマタニティヨガを取り入れるのも一つの方法です。
肩が痛くなるという方も、身体がほぐれるのでおすすめですよ。
骨盤が歪めば、身体全体が歪み、姿勢が崩れてしまいます。
そのため、肩や骨盤だけでなく、腰痛にも悩まされることも珍しくありません。
妊娠後期に入ってしまうと身体を動かすのも大変ですが、妊娠中は適度な運動も必要ですので、ぜひ、取り入れてみてくださいね。
骨盤のストレッチ(お腹が大きくなる前)
- 仰向けになり、膝を両方立てる
- 息を吐きながら、ゆっくりと身体を右に倒す
- 膝を戻したら、今度は左にゆっくりと倒す
これを5回ずつ行うだけでも、骨盤周りの筋肉がほぐれる効果が期待できます。
就寝前に行うとさらに効果的ですよ。
横向きに寝ると骨盤が痛いという方は、ぜひ試してみてくださいね。
腰痛を防止するストレッチ
- 肩幅くらいに足を広げ、腰に手を当てる
- 腰を前に突き出し、右→後ろ→左と、円を描くようにゆっくりと回す
- 反対周りも同様に行う
とても簡単なストレッチですから、テレビを見ながらでも気楽に行うことが出来ますよ。
ただし、お腹が張ってしまったなど、少しでも体調に変化が見られたらすぐに中止して、安静にしてください。
クッションやバスタオルを使用する
横寝をしているとき、大きなお腹が重力で下がっているような感覚になりませんか?
それが気になって熟睡できないという方も、多いと思います。
これを改善するには、脚の間にクッションやバスタオルを挟むという方法です。
下にした足は、少し伸ばして、バスタオルやクッションの上に乗せた足は軽く曲げ、身体は少しうつぶせ気味にします。
この姿勢を「シムス体位」と言い、妊娠中の方が寝やすい姿勢なんですよ。
シムス体位も辛かったんだけどちょっと枕にクッションのせて高くして軽く寄りかかるようにしてみたら寝やすくなった!嬉しい??
— まりこ@29w女の子→1/24帝王予定 (@lil_malico) November 21, 2019
そういえばNHKの「ためしてガッテン」で、質のよい睡眠を得るには、抱き枕を使った「シムス体位」が良いと言っていた。私はうつ伏せで寝る癖があってしかも右足だけ曲げているので、この体位で寝るのが合うのかもしれない。
— 野鶴 美和 (@nozuru_miwa) November 4, 2019
肩も痛くなるのはどうして?原因・理由・対策方法について
横向きに寝るとお腹が痛いときの対策方法について、お話ししてきましたが、次は「肩」が痛い場合について、お話ししていきます。
肩の痛みは妊娠中であることはあまり関係がないように思いますが、本当かどうか気になりますよね。
なぜ、横向き寝をすると肩も痛くなるのか、その原因・理由について調べてみました。
妊娠中でも肩が痛くなる?原因と理由
妊娠後期になると、お腹が大きくなり、必然的に寝返りの回数も減ってしまいがちです。
そのため、身体の片側だけに体重がかかり、肩だけでなく腕や腰にも負荷がかかりやすくなってしまうのです。
また、お腹の赤ちゃんが成長していくにつれて、妊婦さん自身の体重も増えていきますから、その分かかる負荷が大きくなってしまうのです。
寝返りの回数が少なく、同じ姿勢が数時間続けば、自分の身体に潰され、圧迫され続けてしまいます。
これでは、肩が痛くなるのも当然ですね。
さらに、この状態が改善されなければ「巻き肩」になる危険性もあります。
巻き肩とは、肩甲骨が内側に巻き込まれ、その状態で硬直してしまう症状のことです。
肩が痛い理由として、他に考えられるのは「ストレス」です。
ストレスが溜まると交感神経が優位になり、夜間でも交感神経が活発に働いてしまいます。
交感神経は、私たちが日中活動するために必要なものですが、これが夜間も働いているとスムーズに寝付くことが出来なくなります。
いわゆる、興奮して眠れなくなるという状態になってしまうんですね。
眠りが浅くなるだけでなく、血流が減り、身体の老廃物や痛みの原因物質が排出されず、残りやすくなるため、肩に痛みを感じてしまうのです。
就寝中に「歯ぎしり」をしている方も、肩に痛みを与えている可能性もあります。
歯ぎしりは、歯だけの問題かと思う方も多いかもしれませんが、顎や首、肩に強い力が加わります。
眠っている間に歯ぎしりをすると、肩の筋肉に負荷がかかり、起床時に痛みを感じます。
横寝で肩が痛くなるときは、どうすればいの?
では、ここからは改善策について、お話ししていきますね。
まず、見直してほしいのが「枕が合っているかどうか」です。
合わない枕を使っていると、寝返りが打ちにくく、自然と回数が減ってしまいます。
ただでさえ、妊娠中で寝返りが打ちにくい状態なのに、枕が合わなければ、回数が減ってしまうのも頷けますね。
横向き寝をしたとき、肩の周辺が圧迫され、窮屈だと感じる方は要注意ですよ。
おすすめなのは、横向き寝用の枕を購入することです。
抱き枕と一体型になっているような横向き用の枕は、寝返りが打ちにくいのでおすすめできません。
幅広でスムーズな寝返りを促してくれる枕を、購入してくださいね。
温かいお風呂にゆっくりと入る
硬くなった肩の筋肉をほぐしたり、むくみやすい妊婦さんの血行を良くしたり、お風呂で温まることは、たくさんのメリットがあります。
妊娠後期になると、お腹も大きくなりお風呂に入るのも一苦労かもしれませんが、リラックスできる時間でもありますので、出来るだけ湯船で温まってくださいね。
横向きに寝るとお腹が痛いという方にも、おすすめです。
38度~40度に設定したお風呂に15分~20分程度、浸かってくださいね。
じんわりと汗をかいてきたら、筋肉がほぐれ、身体の中の老廃物が排出されてきているサインです。
また、お風呂の中で簡単なストレッチをするのも有効ですよ。
肩に力を入れて、上にグッと引き上げ、ストンと肩を落とすだけで、肩の血行促進効果が得られます。
ストレッチをする
肩に限らず、ストレッチをすると骨盤など身体の痛みを改善してくれます。
横向きに寝るとお腹が痛い方も、日ごろからストレッチを取り入れてみてくださいね。
妊娠後期になると身体が重く、動くのも億劫になってしまいますが、身体のめぐりを促進するためにも、こまめに身体を動かすことを意識してください。
寝起きは身体がこわばっていますので、起床時に行うストレッチが特に効果的です。
妊娠中の妊婦さんでも、気軽に行えるストレッチは「ラジオ体操」です。
深呼吸しながらラジオ体操をすることを意識して、10回ずつくらい行ってくださいね。
肩や骨盤だけでなく、腰などもほぐれてくるでしょう。
妊娠中の横寝は右が下?左が下?
妊婦さんの理想的な寝姿は横向き寝ですが、右と左、どちらを下にするのが良いのか気になりますよね。
最終的には眠りやすい方が良いのですが、より身体に良い方で眠りたいと思う方も多いと思います。
結論から言うと、おすすめなのは「左側が下」です。
なぜなら、足から血液を集めている下大静脈という太い血管が、少し右側にあるからです。
「少し右側にある」というのがポイントで、妊娠中に横寝する際、血流を妨げにくくなるのです。
妊娠後期なら特に、右側を下にすると大きくなった子宮が下大静脈を圧迫してしまいます。
静脈を圧迫すると、血液のめぐりが悪くなってしまうのです。
イメージをするならば、水が流れているホースを靴で踏んでしまうようなものですね。
血流が悪くなるのは、妊娠しているかどうかに限らず、身体にとって良くないことです。
妊娠中ならば、胎盤まで血液が届きにくくなり、お腹の赤ちゃんにも悪影響をおよぼす危険性すらあるのです。
ですから、妊婦さんは「左側を下」にして横向き寝をすることを、おすすめします。
ここまで読んで「寝ている間に右側が下になったらどうしよう!」と心配した方もいらっしゃるかもしれませんが、そこまで心配しなくても大丈夫です。
私たちは就寝中に何度も寝返りをしますし、寝返りをすることで血液の流れがスムーズになります。
少しの時間、右側が下になったとしても問題ありませんので、安心してくださいね。
横向き寝にはどんなメリットとデメリットがあるの?
妊娠中に限らず、横向き寝はリラックスして眠れる寝姿勢として推奨されています。
しかし、メリットがあれば、デメリットもあります。
ここからは、横寝のメリットとデメリットについて、お話ししていきますね。
妊婦さん以外の方も、ぜひ、ご覧になってください。
メリット1:身体へ負担がかからない
仰向けに眠るときと異なり、横向き寝の場合、背骨が圧迫されません。
首にも負荷がかかりませんので、リラックスした姿勢として眠ることが出来ます。
背中や腰、首などに痛みがある方には、有効ですよ。
メリット2:気道が開くので、いびきを防止できる
眠っているとき無意識にいびきをかいてしまうという方は、いらっしゃいませんか?
ゴーゴーと大きな音を立てていびきをかいていると、同室の人の睡眠を妨げてしまいます。
また、いびきをかいているという状態は、舌の奥が重力によって気道の入り口を狭くしている状態なのです。
いびきがひどくなると、睡眠時無呼吸症候群になる危険性もありますので、いびきを放置するのは得策とは言えません。
横向きに寝ると気道が狭くなることもありませんし、睡眠中でもスムーズに呼吸が出来ますので、睡眠の質を高めることもできるのです。
睡眠時無呼吸症候群は、身体のあちこちに悪影響を及ぼす危険性のある病気ですから、いびきを頻繁にかいてしまうという方は、横向き寝で眠ってみてください。
メリット3:逆流性食道炎を予防できる
眠っている間に胃酸が逆流してしまう症状を「逆流性食道炎」と言います。
食道が炎症を起こし、胸やけの原因にもなってしまうんですよ。
塩分や油分を多く摂るようになった日本人に、増えています。
この逆流性食道炎は、横寝をすることで予防することが出来ます。
右と左とどちらを下にすればいいのか、という問題ですが、左を下にした方が逆流しにくいと言われています。
しかし、胃の大きさや形状には個人差がありますし、逆流するメカニズムも完全には解明されていないので、いまだ不明瞭な部分があるのも事実です。
メリット4:認知症を予防する
近年の研究により、横寝は脳の老廃物を排出する手助けをしてくれるということがわかりました。
脳にも老廃物があり、それらが溜まると睡眠障害の原因・理由となると考えられています。
さらに、アルツハイマーなどの認知症の発症にも関わっていますから、脳の老廃物を排出させることは、健康的に長生きするためにもとても大切なことなんですね。
これらは横向き寝をするだけで、予防することが出来ると、最近の研究で注目されている事実です。
既にげっ歯類を使った実験も行われており、具体的にどのような働きがあるのか、解明される日も近付いています。
メリット5:心臓への負担が軽減する
特に妊娠中の方に言えることですが、仰向けで眠ると大きくなったお腹が子宮を圧迫し、大静脈の流れを悪くしてしまいます。
スムーズな血流は、お腹の赤ちゃんの成長にも関わりますので、妊婦さんは横向き寝が推奨されています。
なお、こちらでは横寝で症状が予防・改善できる可能性の高い病気をご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
⇒横向きに寝ると病気になる?横寝と病気の関係、原因と対策を徹底解説
デメリット1:腕や肩が圧迫される
横寝は片側を下にして眠る姿勢ですから、どうしても横向きに寝るとお腹が痛いという方、肩や骨盤が痛いという方がいらっしゃいます。
妊娠後期になると、体重も増え、身体が重くなりますので、痛みを感じる方も増えてきます。
腕や肩、骨盤が痛いと感じる方は、横向き寝用の枕の使用がおすすめです。
幅が広く、スムーズな寝返りを促す形の枕が良いでしょう。
デメリット2:顔にしわやほうれい線が付く原因となる
横寝をすると、片方を枕に押し付けて眠ってしまいますので、顔にしわやほうれい線が出来る原因となってしまいます。
これを防止するには、お肌を乾燥させないことが大切ですよ。
就寝前にしっかりと保湿をして、お肌にうるおいを与えてください。
また、寝室が乾燥している場合は、加湿器をつけるなどして一定の湿度を保つように意識してくださいね。
起床時は、身体から多くの水分が失われていますので、白湯や温かいお茶を飲んで内側から水分補給をすることも有効な方法です。
なお、横向きで寝ることとほうれい線やしわ・顔のたるみの関係はこちらで詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
⇒横向きに寝るとほうれい線・しわ・たるみができる?原因と対策を解説
デメリット3:姿勢によっては身体へ負荷がかかる
妊婦さんにも推奨される横向き寝ですが、膝を抱えるような体勢はおすすめできません。
身体を丸め、膝を抱える寝姿勢(いわゆる、胎児のポーズ)は、背骨が曲がり、関節にも負荷がかかってしまいます。
胃や肺が圧迫される危険性もあるので、注意が必要です。
部位別:妊娠中に横向き寝で身体が痛くなる原因について
肩・腰・背中・お腹
妊娠中期から妊娠後期にかけて、妊婦さんのお腹は大きくせり出してきます。
すると、身体の重心も前に傾きがちになり、自然と肩や背中の筋肉が緊張していまします。
これは前に傾く身体のバランスを取ろうと、身体が働くからなんですよ。
さらに、前に傾き過ぎないように腰を反らせる姿勢をとる方も多いので、腰痛の原因にも繋がります。
妊娠中にリラキシンという物質が分泌されることで、股関節などの関節が緩み、足の付け根や骨盤が痛むという方も珍しくありません。
改善策
横寝をする際は、抱き枕やクッションを使用し、シムス位で眠ると腰への負担を軽減することが出来ます。
身体を横にしたとき、腰が反らないように注意してくださいね。
横向きになるとお腹が痛い場合は、お腹と敷布団の間に折り畳んだタオルを挟むと効果的ですよ。
太もも
横寝をしているとき、脚を重ねていると太ももが痛いを感じることがあります。
太ももや両膝の間にクッションやタオルを挟むと、脚の重みを軽減することが出来ます。
恥骨・骨盤
出産が近づくと、関節が緩み、恥骨や骨盤に大きく負荷がかかります。
そのため、横向きで寝ると骨盤が痛いと感じる方も多いんですよ。
横寝をする際は、膝を軽く曲げ、脚の間に折り畳んだバスタオルやクッションを挟むことで、痛みが軽減します。
また、ひざ下にクッションを置くのも有効ですよ。
耳
横寝をしたとき、下側の耳が圧迫されて痛いという方も多いと思います。
耳に当たる部分がくぼんでいる横向き寝用の枕や、形を自由に変えられる横向き用の枕がありますので、色んな枕を試してみるのも良いでしょう。
横向き用の枕はどんなものがおすすめ?
仰向けでも横向きでも、背骨が真っすぐになるものを選ぶ
入眠するときは、横寝が良いという方でも、寝ている間に寝返りを打ちますよね。
ですから、枕を選ぶときは、横向きでも仰向けでも、フィットするものを選ぶ必要があります。
仰向けならば拳1つ分、横向きならば拳2つ分の高さが、一般的な目安となります。
身体を横にしたとき、背骨が真っすぐになるものが理想的な枕だと言えますね。
横向き寝用の枕も、様々取り扱われており、見た目は平坦で真ん中だけ柔らかく、両端を固い素材で作っているものなどもあるんですよ。
他にも、真ん中だけが深く、両端が浅いものもあります。
新しく枕を購入する際は、専門店などで相談してから購入すると安心ですよ。
柔らかすぎない素材を選ぶ
枕の高さがフィットしていても、沈み込みすぎるような柔らかい材質の枕だと、リラックスして眠ることが出来ません。
反対に、固すぎても、頭が沈まず質の良い睡眠をとることが出来ません。
高さが合わない枕を使うと、肩や首の血管を圧迫し、肩こりや頭痛の原因となってしまいます。
枕の固さは個人の好みによりますが、選ぶときは「どれくらい沈み込むのか」を考えて、検討してください。
素材は様々で、横向き寝用として使うならビーズやパイプ、高反発などがおすすめですよ。
枕を買い替えるなら、今使っている素材と極端に違うものは選ばないようにしましょう。
例えば、ビーズから高反発枕に切り替えてしまうと、頭を乗せた時に違和感が出てきます。
色んな材質のものを試してみてから、購入してくださいね。
幅のある枕なら寝返りがしやすい
妊娠中でも質の高い睡眠をとるためには、寝返りをすることが大切です。
横向き用の枕は高さや材質も大切ですが、幅がある枕かどうか、という点も選ぶポイントにしてくださいね。
取り扱われている横向き寝用の枕の中には、抱き枕と一体型になった形状のものもありますが、そのタイプですと寝返りがしにくく、頭が枕から落ちてしまう可能性もあります。
左右のどちらでも寝返りが打てるくらい、幅の広い枕がおすすめです。
丸洗いできる衛生的な枕
私たちは眠っている間にも汗をかきますので、想像以上に寝具は汚れてしまいます。
汗以外にも、皮脂汚れやあかも寝具に付着してしまいます。
そんな寝具を使い続けているとダニが好む環境を整えてしまい、不衛生になってしまいます。
また、ダニはアレルギーの原因に、汚れは臭いの原因となるので、寝具は常に清潔を保つようにしましょう。
そのためにも、枕は丸洗いが出来るものがおすすめですよ。
丸洗いができなくても陰干しをしっかりするだけで、対策を立てることが出来ます。
カバーを洗うだけでも、清潔感を保つことが出来ますから、寝具はこまめに洗いましょう。
妊婦さんは要注意!妊娠中にしてはいけない寝姿勢
ここまで横向き寝について詳しくお話ししてきましたが、妊婦さんが他の寝姿勢を取るとどうなるのでしょうか。
妊娠後期になるとお腹も大きくなり、横寝以外は難しくなるかもしれませんが、初期や中期はどのような寝姿勢が良いのか、気になりますよね。
うつ伏せ寝
妊娠中に最もしてはいけない寝姿勢は「うつ伏せ寝」です。
初期ならば子宮もそれほど大きくなっていないので、問題ありませんが、お腹が大きくなる中期以降は、うつ伏せで寝ないようにしてくださいね。
妊娠中期になると、お腹の赤ちゃんも急成長し、子宮も大きくなります。
お腹も前にせり出してきますよね。
赤ちゃんはお腹の中の羊水に守られていますから、外部からの衝撃への耐性はあります。
しかし、うつ伏せで寝ると、ママの呼吸が苦しくなり、赤ちゃんに十分な酸素を届けることが出来なくなる危険があります。
もし、うつ伏せ寝をするとしても、長時間お腹を圧迫するような姿勢は、避けてくださいね。
仰向け寝
横向きに寝るとお腹が痛いから、仰向けで寝たいという方もいるかもしれません。
お腹だけでなく、肩や骨盤が痛むという方も、仰向け寝がしたくなりますよね。
しかし、妊娠後期になると大きくなった子宮が、下大静脈という太い血管を圧迫する危険性があります。
血流が悪くなると、心臓へ戻る血液の量が急激に減り、血圧も低下してしまいます。
著しく血圧が低下すると、めまいや息苦しさ、冷や汗、吐き気などの症状が起こる危険性があり、悪化すれば呼吸困難に陥ります。
これを「仰臥位低血圧症候群」と言い、妊娠後期から注意が必要となります。
どうしても仰向けで眠りたい場合は、右側の腰あたりにタオルやクッションを挟み、骨盤を少し左側に傾けてください。
下大静脈は背骨の右側にありますから、右側を圧迫しないことが大切です。
お腹が大きくなる妊娠中期から、今までの寝方では寝苦しいと感じる方も多くなります。
ご自身にとって楽な姿勢を探す良い機会になりますので、少しずつ変化していく身体とともに、楽な寝姿勢も探してくださいね。
ただし、少しでも身体の異変を感じたならば、早めにかかりつけの医師に相談するようにしましょう。
まとめ
ここまで妊娠中に横向きに寝るとお腹が痛い方や、肩や骨盤の痛みに悩む方に向けて、お話しをしてきましたがいかがでしたか?
- なぜ、横向きに寝ると骨盤が痛いのか?その改善策について
- 横向き寝をして肩が痛くなる理由や原因
- 横寝をするなら、右が下か、左が下かどちらが良いのか
- 横向きに寝るメリットとデメリットについて
- 肩や骨盤以外にも、横向きで寝ると痛みが出る理由
- 横向き寝用の枕を購入するなら、どんな選び方が良い?
- 妊婦さんがしてはいけない寝姿勢について
など、様々なことについてお話してきました。
疑問に思っていたことが解決すれば、幸いです。
お腹の赤ちゃんを育てる大切な妊娠期ですが、寝返りがうちにくい、眠りが浅くなるなど、多くのトラブルに悩まされると思います。
しかし、枕や寝具を変える、自分が入眠しやすい寝姿勢を探すなど、睡眠について見直す機会にもなります。
少しでも多く休息を取り、お腹の赤ちゃんはもちろん、ママも身体を休めるように工夫してくださいね。
ここでご紹介したこと以外でも、ご自身が「楽だ」と思うことがあれば、どんどん試してみてください。
どうしても横向きに寝るとお腹が痛い方は、無理して横寝をせずにソファにもたれてこま切れでもいいので、休息を優先してください。
座り姿勢で眠ったときは、肩や骨盤のストレッチも忘れないでくださいね。
妊娠後期は特に辛いかもしれませんが、お腹が大きくなるということは、お腹の赤ちゃんが健やかに成長している証でもあります。
入眠しづらいという方は、お気に入りのアロマを炊いたり、リラックスできる環境を整えることも大切ですよ。