横向きに寝ると胸が苦しい・痛い?心臓に負担が?原因と対策を解説
寝る体勢といえば、仰向け、横向き、うつ伏せなどがありますが、横向きに寝ると、胸が苦しい・痛いと感じたことはありませんか?
では、横向きに寝ると、心臓に負担がかかるものなのでしょうか?
結論から言うと、横向きに寝ることが原因で、心臓に特別な負担がかかるということは、基本的にありません。
むしろ、仰向けに寝るほうが、心臓や他の内臓に負担がかかるとされています。
しかし、横向きに寝る時に起こる胸が苦しい・痛い、心臓に負担かかっているような気がするという症状にも、もちろん注意が必要です。
横向き寝をする時に心臓が痛い、胸が苦しいという場合には、どのような危険性が考えられるのでしょうか?その理由や原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
長年、マットレスや枕を変えることで、睡眠の質の改善に挑戦してきた私が、徹底解説していきます。
横向きに寝ると胸の痛みがあるという方、横向きで寝る時に心臓が苦しいという方は、ぜひ参考にしてみてください。この記事がお役に立てれば、嬉しく思います。
もくじ
基本的に横向きは心臓への負担が軽い体勢
睡眠時の体勢には色々とありますが、横向き寝は、胸や心臓だけではなく、内臓全体に負担の少ない睡眠姿勢です。
それぞれの睡眠の姿勢には、メリットとデメリットがありますが、横向きのメリットは内臓を圧迫しないということです。
それで、横向きに寝ると胸が苦しい、痛いという症状との関係性は、すぐにはつながらないケースが多いでしょう。
妊婦さんにも推奨される横向き寝
妊婦さんは、寝ている時でもお腹の重みを感じ、苦しくなってしまうことがあります。実は、そんな方には横向き寝が推奨されているんです。
心臓や胃腸などの内臓を、お腹の重さが圧迫してしまわないように、横向きで寝ることがオススメされるのです。
特に、お腹が大きくなるにつれて、寝返りがしづらくなるため、体の圧迫を軽減してくれる寝具を使用することで、さらに体への負担を軽減できます。
そのことからもわかるように、横向きに寝るということは、心臓に比較的負担のかからない姿勢なのです。
それで、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いという場合には、他の病気を考える必要がありそうです。
心臓が痛い胸が苦しいことの原因として、横向きで寝るということは、考えにくいというわけです。
横向きに寝ると胸が苦しい症状の原因として考えられること
睡眠は、毎日を健康的に過ごす上で欠かせないものです。なんと、人生の1/3もの時間を、人間は睡眠時間に費やしていると言われています。
それほど重要な睡眠ですから、どの体勢で寝れば良いのか?と頭を悩ませている方は多いでしょう。
ただ眠れば良いというわけではなく、やはり質の良い睡眠をとり、日常生活のクオリティをアップさせたいですよね。
ですから、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓に負担がかかっているような感じがする!となると、落ち着いて、眠ることすらできません。
睡眠不足は免疫力の低下を招き、他の病気の原因にもなりかねませんので、なぜそのような症状が起きてしまうのかという理由を突き止め、危険性が分かったなら、予防・対策を行うことが大切なんです。
全身が心臓と同じ高さになると胸が苦しくなることも
横向きに寝ると胸の痛みがある、横向きで寝る時に心臓が苦しいような感じがするという場合は、下肢と頭、心臓の全てが同じ高さになっていることが、原因と考えられます。
仰向けに寝るか、横向きで寝るかに関係なく、体を横にすると体が一直線になり、血液が心臓に戻りやすくなります。
血液が心臓に戻りやすくなるということは、それだけ心臓の仕事が増えるため、負担が高まってしまうんです。
枕の高さなどを調整することで、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓に負担がかかっているという症状を、改善できることがあります。
中枢神経系がリラックスしすぎる
横向きに寝ると胸が苦しいという場合には、仰向けやうつぶせなど、他の姿勢でも胸が苦しくなるか心臓が痛いような感じがするかということを、確認してみてください。
もしかすると、寝る体勢ではなく横になっているという事実が、胸を苦しくさせているということも考えられるからです。
どの体勢でも、横になっている時は胸が苦しい心臓が痛いという場合には、中枢神経系のリラックスが関係していることがあります。
体は、横になると全身がリラックスでき、気持ちも落ち着きますが、これは迷走神経の緊張が高まるということが原因です。
身体の交感神経緊張が弱まり、迷走神経緊張が高まる状態になるんです。
中枢神経系がリラックスしすぎてしまうと、呼吸に伴う中枢神経系のサポート機能が下がってしまいます。
中枢神経系のサポートが呼吸に必要な場合に横になることで、中枢神経・体がリラックスしてしまうしすぎてしまうと、胸が苦しい・痛いという症状を引き起こしかねないのです。
横向きに寝ると、生まれた時の姿勢に近い呼吸が楽になるなどの理由から、中枢神経系がリラックスするため、他の体勢と比べると呼吸をサポートする機能が低下し、胸が苦しい、心臓が痛いような気がするという方がいるのです。
しかし、心臓そのものに問題があるというケースはほとんどないため、横向きに寝ると胸が苦しいという症状を、それほど心配する必要はなさそうです。
横向きに寝ると胸の痛みを感じるという場合の改善・防止対策として、他の体勢で寝ることを試してみるのがおすすめです。
肋間神経痛の恐れも
横向きに寝ると、胸が苦しい胸の痛みを感じるという場合には、実は心臓への負担ではなく、肋間神経痛という病気が関係していることがあります。
この肋間神経痛という病気は、肋骨に沿っている神経の痛みが生じる病気のことです。
原因によって痛み方は異なりますが、持続する痛みもあれば、急に電気が走るような鋭い痛みもあります。
痛みが起こる場所は、背中や脇腹、おへそあたりということもあれば、胸の前面に起きることもあります。
足の付け根まで痛みを感じることもあるので、胸が痛い、心臓に問題があるのではないか?と感じてしまう方も多いのです。
心臓の病気の痛みとの違いとは?
では、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いような感じがする原因が肋間神経痛の場合、心臓や血管など、体の内臓に関係した病気で起こる胸の痛みや苦しさとは、どのような違いが考えられるのでしょうか?
この特徴として覚えておきたいのが、肋間神経痛の胸の痛みは、痛む場所や範囲がはっきりしているということです。
肋骨に沿って起こる痛みなので、鋭い痛みになりますが、上半身の右側か左側ののみにおきます。
それで、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いと感じている方は、体のどちらかのみが痛むのか?それとも両方、つまり胸全体が痛むのか?ということを考えてみてください。
横向き寝をしている時に胸が苦しい、痛いと感じるときは、肋間神経痛の痛みが生じている体の片側と、横向きに寝ているときに向いている方向が関係した痛みかもしれません。
横向きに寝ると胸が苦しい・心臓が痛い感じがすることも
肋間神経痛の原因は様々ですが、胸椎椎間板ヘルニアや脊椎腫瘍など、脊椎などに原因がある場合は、特に横向きに寝ると神経が圧迫され、胸が苦しい痛みを感じるといったことが考えられます。
肋間神経痛が原因で、横向きに寝ると胸が苦しい痛いと感じる場合には、肋間神経痛そのものを治療する必要があります。
寝る体勢を変えるだけでは、痛みの原因が異なるため、改善されません。
肋間神経痛は、基本的に消炎鎮痛剤の内服などで治療できます。
頚椎の疾患が原因となっている場合には、外科的手術が行われることもありますが、軽症の場合は、内服薬やリハビリテーションやストレッチといった運動療法によって、症状が改善するでしょう。
横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いと感じている方は、痛みがどのような種類なのか?を冷静に見極めることで、正しい対策を行えると言えるでしょう。
横向きに寝ると胸が苦しい症状は仰向けで改善される?
では、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いという症状は、寝る体勢を変えることで改善されるのでしょうか?
これは、横向きに寝ると胸が苦しい症状の原因によるため、一概には言えないのが事実です。
胸が締め付けられるような痛みが続くようなら、医師に相談するのが一番安心でしょう。
しかし、横向きに寝ると胸が苦しいという症状は一般的には少なく、仰向けに寝ると胸が苦しいという方の方が、多いと言えるでしょう。
それは、重力のせいで内臓に負担がかかり、体の重みを感じるからです。
横向きに寝ると胸が苦しいときの対策・おすすめの寝方
では、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いと感じている場合、どのような寝方をすれば良いのでしょうか?
実は、横向き寝には体にさまざまなメリットがあるので、正しい方法で取り入れれば、健康にプラスに働くこともあります。
では、具体的に横向きに寝ると、どのようなメリットがあり、どのような方法で取り入れるのが良いのでしょうか?
正しい方向で横向きに寝るようにすると、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛い、寝ても寝ても疲れが取れない!といった不快な症状が、すっきりと改善されることがあるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。
横向きに寝るとこんな良いことが
横向きに寝ると胸が苦しい、痛いと感じている方は、横向きで寝ることに嫌なイメージがあるかもしれませんが、実は横向きには、様々なメリットがあるんです。
1 呼吸がしやすくなる
横向きで寝る事によって、舌が気道を塞いでしまう心配がありません。
空気の通り道を確保しやすくなるので、いびきをかきづらくなったり、睡眠時無呼吸症候群の症状を改善することに役立ちます。
横向きに寝ると胸が苦しく感じる方は、仰向けで寝て、その後に横向きになっていないか確認してみてください。
仰向けで寝ていた時に呼吸がうまくできておらず、横向きになったとたんに呼吸の数が増えることで、心臓に一気に負担がかかり、横向きに寝る=胸が苦しいというイメージがついているだけのこともあります。
2 消化を助けてくれる
実は、体の右側を下にして横向きに眠ることで、胃の圧迫を防ぎ消化をスムーズにしてくれる働きがあります。
これは、胃の形と関係がありますが、胃から腸に食べ物が流れるのを、スムーズにしてくれるからです。
しかし、反対に左側を下にして寝ることで、体の中でも重たい臓器である肝臓が、心臓や胃の上に乗っかる状態になります。
そうなると、胃や心臓が圧迫され、負担をかけてしまうため、横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いと感じる原因になるかもしれません。
横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いという場合には、左側を下にしてしまっていないかどうか、確認してみてください。
右を下にして寝ると問題ないという場合には、肝臓が心臓を圧迫してしまっているのかもしれません。
デメリットを改善するための正しい横向き寝
横向きに寝ると胸が苦しいという方はいるものの、横向きには様々なメリットがあるように聞こえます。
しかし、やはりどんなものにも、デメリットはあるものです。
横向き寝をするということは、小さな体の面積で、全体重を支えることになります。
腰や肩に負担かかりやすく、一部分だけが圧迫され血流が妨げられるので、体が疲れているように感じることもあるでしょう。
寝返りの回数が減ることで、血流が悪化するという心配もあります。
そんな横向きに伴うデメリットを改善するためには、横向き寝用の寝具を取り入れるのがオススメです。
横向き用に設計されているため、横向きで寝た時に、体のラインを整え、寝返りが打ちやすいように、設計されているからです。
横向きが原因となることは少ないが悪化するようなら医師に相談を
いかがだったでしょうか?横向きに寝ると胸が苦しい、心臓が痛いと感じる方は少数ですが、肋間神経痛などの症状と重なり、痛みが起きる可能性があります。
また、左を下にして寝ることで、肝臓が心臓に乗っかかる形になり、心臓に負担をかけてしまうということも考えられます。
横向きそのものが、胸が苦しい、心臓が痛い原因になるということは珍しいのですが、痛みがひどいという場合には、内臓の病気の可能性もあるため、医師に相談するのがおすすめです。
なお、横寝と病気の関係についてはこちらでも詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
⇒横向きに寝ると病気になる?横寝と病気の関係、原因と対策を徹底解説